俺の仲間が奴隷すぎて困る件
「……いただきます」
ワダヤマヒロシは食事を目の前にして……神妙な表情で、静かに手を合わせる。
そして……地面の上に置かれた『大きめ』のコップを手に取ると……それをゆっくり傾ける。
その中身をゆっくりと『飲み干して』……ワダヤマヒロシは、その『コップ』を地面に置いた。
ずうん。
その大きめな『コップ』は、着地した瞬間、重い音を周囲に響かせていた。
それを見ていた料理人の一人が……顔を引きつらせる。
そう……彼は『ふーどばとる』の勝者の一人。
いま、勝者として……ワダヤマヒロシに一〇〇人分の夕食を提供したところだった。
ワイン醸造用に作られ、子供なら四人か五人は入りそうな樽に、一〇〇人前の料理を捨てて……もとい、流し込んで、それを提供する。
ごちゃ混ぜの残飯みたいになったその内容物……それが、ワダヤマヒロシの食事であった。
なぜなら彼は……身長一七メートルの巨人だから。
ナイフやフォーク、箸でさえも……彼のサイズに合うものは、この世になかった。
「うう……俺の料理が……残飯のようだ……」
料理人は、複雑そうな表情を見せていた。
・
・
・
・
・
・
「塩の振り方が甘ーい!!」
カッ!!
そのとき不意に、ワダヤマヒロシの目が輝いた!!
そのままワダヤマヒロシは、眼下の料理人に向かって叫んでいた。
そして、続ける。
「塩の振り方にムラがありすぎる!!
場所によって味が違うとか、どんだけ雑なんだよ!
あと、風味が飛んでる! 香り付けを入れるタイミングが早すぎるんだ!
あと、鶏肉……廃鳥と若鳥が混じってるだろ!
鳥なら全部一緒とか思ってんじゃねー!!
脂の出方が違うし……舌触りも違うんだよ!!
素材のチェックくらいちゃんとしろよ!!」
ハッ!!
料理人は衝撃を受けたように、急いでメモを取り出すと、ワダヤマヒロシの言葉を書き留める。
そう。
ワダヤマヒロシは転生前から……無駄なことに、極超繊細な味覚を持っていた。
神の味覚、とでも言うべきか。
と言っても、所詮はヒキコモリ生活……せいぜいが、袋ラーメンの銘柄と生産工場と生産ロットと原材料の生産国とその気候と工場内の温湿度と機械の清掃状態の違いを言い当てることができるくらいだったが。
なんてどうでもいい能力!!
「次!」
「は……はいっ!! 喜んで!!」
ワダヤマヒロシの言葉に……のこりの九樽が次々運ばれてくる。
鋭い指摘に戦々恐々しながら……料理人や屋台の大将が、落ち着かなさそうに自分の順番を待っている。
これが……ワダヤマヒロシの食事風景であった。
・
・
・
・
・
「はーやれやれ。
今日も盛り上がったのう!!」
『ふーどばとる』の後片付けも終わり……『組合』と『連合』の代表者たちがいちゃついている頃と思われる。
城壁の外で地面に寝っ転がる身長一七メートルのワダヤマヒロシの肋骨の上で……あえてワダヤマヒロシと同じ姿勢で寝っ転がる野分。
時間はすでに、夜、と言う時間。
夜空には、大きな月が浮かんでいた。
「うむ……月が奇麗じゃのう!」
「………」
野分の言葉に、ワダヤマヒロシは無言で頷いていた。
野分の言葉通り……ワダヤマヒロシの目の前には、見たこともないほどの数の星が輝く中、その邪魔にならないよう遠慮するかのように、夜空の端に浮かぶ月。
今日び、日本においても、よほど人里離れたところでないと、ここまでの夜空は見られないだろう。
ほとんど環境破壊されていない世界……それはそれだけで異世界と言って良かった。
遠くから、町の喧騒が聞こえてくる……それも間もなく静まり返るだろう。
そんな折だった。
「こりゃ、主よ。」
野分がふいに、静寂を割る。
「……?」
「そこは、『私、死んでもいい』じゃないのかの?」
「……。 あー、あれか。
千円札の夏目漱石が教職の頃、アイラブユーって英語をそう和訳したっていう……嘘かホントか分からない話だろ?
俺が採点するなら、〇点どころか、心理カウンセリングを勧めるところなんだけど。
ガノタムじゃねーんだから、ほいほい人を殺すなってーの」
ワダヤマヒロシが『死んでもいい』の逸話を知っていたのは……ワダヤマヒロシに読書をする習慣があったからではない。
暇つぶしにネットに嚙り付いたときに、そういう話を見たことがあった。
それを思い出していたのだ。
また、異世界産のドラゴンが日本の逸話を引っ張り出せたのは……野分はまたもワダヤマヒロシの記憶を覗いていたらしかった。
それがどうした、という感じで問い返すワダヤマヒロシに、野分はため息を付く。
「……やれやれ……わが主は、空気を読めない御仁じゃのう。
ならば……そんな主にもわかるように言ってやろう。
『やらないか』」
「ド直球過ぎるだろ、それ。
せめて隠語で『バララ烏賊』って言ってくれよ」
呆れながら答えるワダヤマヒロシ……残念ながら彼は、ニコなんとかと言う名の精神疾患に陥っているらしかった。
その言葉に、野分はふぅむと考え込むような仕草を見せる。
「ふむ……駄目か。
では……『あなた。 わたしにする? わたしにする? それとも……わ・た・し?』」
「んー。 選択肢のなさが半端ないよね、それ。
せめてご飯と風呂と肩叩きを入れてくれ」
「むぅ……それでは、わたしの入る余地が無くなってしまうではないか」
「うん、分かったから、寝ろ」
「に゛ゃ゛っ゛!?」
バッサリ斬り捨てられ、野分は愕然としていた。
そのまま、ごろんとうつ伏せに体勢を変える。
それはいわゆる……必殺奥義『当ててんのよ』の構えであった。 それはきっとミンメー書房だか乳房書房だかには載っているに違いない。 たぶん。
「………」
「……お? 主、少し顔が赤くなったのう!
のう、主?
のうのう!?」
野分の言葉に、気まずそうに、舌を打って見せるワダヤマヒロシ。
そしてワダヤマヒロシもまた……王道兵器『寝たふり』を見せるのだった。 決して『ネタ振り』ではない。
「おや?
主……寝たのか?
いつでもどこでも『寝る』奴だったのか、主。」
なんてこと言いやがる。
のうのう言いながらワダヤマヒロシの服を掴んでゴシゴシこする野分。
そのままワダヤマヒロシが十数分も放置していたら……野分はふてくされて左のポケットに入ってしまった。
それを確認してから……ワダヤマヒロシは、大きなため息を付いた。
「(だから……この世界の奴らは、体格差ってのが分かんないのか!?
いくら俺がオタクでも、フィギアを物理的に愛でることは出来ねーんだよ!!
串刺しの刑の死刑執行人に、俺はなりたくねーわ!)」
こうしてワダヤマヒロシは、今日も悶々と眠れない夜を過ごすのだった。
・
・
・
・
・
で、翌朝である。
「お……おはようございます!!」
耳元で、少女のその緊張を隠せない声で叫ばれ、ワダヤマヒロシは思わず飛び上がっていた。
ポケットの中の野分がその高低差に以下略。 文句を言うくだりも以下略。
そしてワダヤマヒロシは地面を見下ろして……ふと気付く。
そこには……昨日助けた娘、ルビンスカヤがいた。
「あ、ああ……ええと、おはよう。
あ、朝から元気だねー。
さすがはJS……げふんげふん」
言葉を訂正しながら人間の屑がそういうと……ルビンスカヤは、ビクンと身体を震わせた。
遅れて、野分がポケットから頭を出す。
そして……何かを思い出したようにワダヤマヒロシに声をかけた。
「ああ、そうじゃ。
主よ、言うのを忘れておった。
昨日、あのあと……」
その野分の寝ぼけた言葉に……少女の必死な叫びが被る。
「ご、ご主人様!! ほ、本日より、よろしくお願いいたします!!!」
「……言われたとおり、この娘を奴隷として買い上げてきたぞえ?」
「はああ!? 俺は寄付して来いっていっただけだろうが!!??」
ワダヤマヒロシが絶叫するその目の前で……鎖のついた首輪と、冒険者向けの神官服を身につけたルビンスカヤは、泣き腫らした目を向けるのだった。
その目は……すでに、覚悟を完了させていた。
この国には……青少年健全育成条例がなかったからだった。
ワダヤマヒロシの渾身の突っ込み(性的ではない)は、この十秒後だった。
・
・
・
・
・
……少々説明させていただく。
王都ハンガーヒルはいま、空前の好景気に沸いていた。
理由はいくつかあるが、まずは大規模な公共投資だ。
王都ハンガーヒルの眼前に広がる、ハンガー平野。
大草原と言って良いこの平野はしかし、今まで全く開発されていなかった。
なぜならここは……かの古竜、『暴風雨』の狩猟場のひとつだったからだ。
うかつに足を踏み入れようものなら、『暴風雨』にたちまち狩りつくされてしまう土地。
と言うより……五〇〇年以上前は肥沃な農地だったが、『暴風雨』に破壊殲滅されてしまったのだ。
復興しようとしても、『暴風雨』に再度襲撃される。
その状態が、五〇〇年間続いていた。
……よくもまあ、遷都や都市自体の廃棄をされなかったものである。
だが、事態は急変した。
伝説通り……ワダヤマヒロシが『暴風雨』を討伐した(ことになった)のである。
実際は野分と名を変え、人間の姿でワダヤマヒロシと同行するようになっただけなのだが……しかし、少なくとも実害は消えた。
つまり、有望で広大な平原が、ふたたび開発可能になったのだ。
そこに、一気に開発の手が入った。
他国からの流民、落ちぶれた冒険者、農家の次男三男などなど。
ここでハンガー王国が思い切った手を打ったため、それはさらに加速する。
すなわち……日本で言う、墾田永年私財法。
自分で開発した土地は自分の土地にしても良いという、思い切った舵を切ったのだ。
通常なら国家や貴族たち、財を蓄えた商会などが自分の土地として独占するところである。
しかし……悲しいかな、古竜討伐の報奨金さえ満足に支払えなかった貧乏国家である。
……まあ、それこそそれは目の前の肥沃な土地を開発できなかったせいなのだが。
よって、民衆の手で、ほとんど自由に開発できることとなったのだ。
それに、荘園を持つ貴族もほとんどいなかった。
この世界においては珍しく……この国は、法衣貴族(土地を持たない貴族)がほとんどだったのである。
なぜなら……五〇〇年前に、土地を持った貴族が絶滅してしまったから。
『暴風雨』によって土地を追われ……そこからの上がりを収入源にしていたものが、干上がってしまったのである。 彼らはそのまま討ち死にしたり他家に吸収されたりして、断絶してしまった。
ある意味、ハンガー王国は、実に先進的な国家であった。
なぜなら……王制であるにもかかわらず、封建国家ではなかったから。
『土地を持った貴族や騎士』が、ほとんどいない国家なのだから。
つまり、自治権さえ持った中間搾取層が全くいない国……それが、近代化において、どれだけ有利な事か。
とは言え……近代化はおろか、自国の開発さえできないほどの貧乏国家なのだが。
そう。
広大な土地が開発できるようになったと言え、その資金を出せる者が不足していた。
苦肉の策としての墾田永年私財法発布……ようは開発の資金を開発者自身に負担させようという事だ。
開発さえできれば、あとは勝手に税収が入ってくる……ハンガー王国は、それで良しとした。
結果的にそれが大当たりした。
熱狂的な開発熱が、民衆を捉えた。
かくして国民が死蔵していたタンス預金が動き出し、また国外からも人口が流入し……開発ラッシュが始まった。
国家は、戸籍や土地の縄張や灌漑用の水路を管理するだけで良かった。
それでもその仕事に人材を取られ……役人や貴族や王族さえも、今までにないほどの多忙な日々を送っていた。
ちなみに……エーリカ王女の輿入れが全く進まないのは、このせいでもあった。
ていうか、完全に忘れられていた。
そして。
開発によって、大きな金が動き出すと……それにつられて別の産業も活発になる。
開発者たちに有形無形のサービスを提供するものたち。
すなわち……飲食業、生活必需品や農機具などの製造業に、販売業など。
それらも一気に賑わった。
金が金を呼ぶのではなく……金の流れが、金の流れを呼んだのである。
また……先の『ふーどばとる』も、消費拡大に一役買っていた。
実際に毎日一日三〇〇万円分の資本が投下され、それによって材料の生産者や仲卸、料理人たちの懐が潤うのもそうであるが……何よりそれは、『食』と言う消費のデモンストレーションとなっていたのだ。
珍しい食材、新しい料理に興味を持った人々が、それに手を伸ばすことによって、新しい消費が掘り起こされたわけだ。
ぶっちゃけて言えば、外食が増えた、消費する機会が増えた、ということ。
それに加えて……本人は気付いてもいなかったが、ワダヤマヒロシがもたらす、高品質の『素材』。
上級冒険者たちでも躊躇するほど凶悪な魔物たちから採取された……高級で大量の商品。
それを求める多くの商人、職人、冒険者……そして彼らが落としていく大量の金。
景気が良くなるのも、当然であった。
・
・
・
・
・
で。
なぜ急にそんな解説をしたかと言うと……ルビンスカヤの背景を説明するためである(あと、どこかで使おうと思ってせっかく書いた文章を、破棄したくなかったからである!!)。
……どの時代にも、好景気の恩恵に与かれないものがいる。
それはいろいろあるが……収入が定額で決まっている者、そもそも働き手がいない世帯、自治体から補助を受けている者などである。
日本の公務員に関しても、好景気の恩恵を受けて所得が上がるのは……早くとも二年後。
その間にハイパーインフレが起きたらどうするんだという話もあるが……まあそれはさておき。
ルビンスカヤは、修道院で拾われた孤児であった。
……五〇〇年貧困が続いていたハンガー王国では、そこらじゅうにストリートチルドレンがいた。
ルビンスカヤは、そのうちの一人だった。
大量の浮浪児の中で、なぜルビンスカヤだけが拾われたのか。
理由は簡単、高く売れそうだったからだ。
……ぶっちゃけ、お利口で可憐で、可愛かったからだ。
地球においても、宗教法人の奴隷や人身売買は、歴史上、いたって普通の事だ。
なぜなら、異民族や異教の徒や『教えに背いた』とされるものは、人間ではないのだから。
『神』は『人』のみを救うらしいから。
世界一周でお馴染みマゼラン提督の憤死だって奴隷狩りの最中に逆襲されたからだし、カッパハゲでお馴染み宣教師だって布教の資金は一部奴隷売買で賄われている。
戦国時代の一向宗も、ついでに言うと武田信玄も。
以前どこか(内緒♪)でも述べたが、あのCMやアニメの挿入歌でもお馴染み『アメイジンググレイス』の作者だって、もともとは奴隷商人だったんだから。
逆に言えば……彼らからすれば、基本的に奴隷制度のない現代社会こそおかしいのだ。
『奴隷に人権を与えるなんて、神を冒涜しているのか!?』と……割と本気で怒りだすだろう。
つまり、この世界において、それこそが『常識』なのだ。
そんな中、ごくごく普通に、ルビンスカヤは金持ちの妾か、王宮の貴人付きの高級奴隷として販売される予定だった。
その分、ルビンスカヤは高級な教育を受けることができたし……戯れに(彼女にとっては純粋な善意だったが)浮浪児たちに施しをすることも許された。
しかし。
『偉大なる勇者』の転生が、思わぬところに余波を与えていたのである。
・
・
・
・
・
時を少し遡って、一日前。
ルビンスカヤがワダヤマヒロシの掌の上で、お漏らししそうなほどガクブルしていた時である。
「はああ!!?? 国から寄付金を……打ち切られたぁ!!??」
ワダヤマヒロシは、思わず強い口調で問い返していた。
それに身体をぴくんと縮めながら、ルビンスカヤは恐る恐る応じる。
「は……はい。
そもそも王宮から続けられていた修道院に対する寄付は……『長年寄付を続けていれば、『偉大なる勇者』が訪れる』という伝説に基いたものらしくて」
「つまり『偉大なる勇者』が降臨し『暴風雨』が討伐されれば……修道院はもう用なし、という訳かの?」
「………」
野分の問いかけに、ルビンスカヤは無言になった。
なるほど……彼女の立場では、是とは言いにくいだろう。
ルビンスカヤは続けた。
「それで修道院は資金繰りに困ってしまって……私が浮浪児たちにこっそり食事を与えていたのも、はっきり禁止されるようになってしまったのです。
そ、それで私は……」
「浮浪児たちのために……冒険者の真似事をして、資金を稼ごうとした、と?」
「は、はい……このままでは……浮浪児たちが……」
小さく頷き、顔を伏せるルビンスカヤ。
その姿に……ワダヤマヒロシと野分は、あきれた様子で絶句する。
ルビンスカヤの無茶もそうだが……用が済んだから寄付金を切ったという王家も王家である。
また、修道院側も……ルビンスカヤのような立場の者を捨て値で安売りし、一気に事業規模を縮小したという話も聞いた。
まだ彼女が修道院にいられるのは……高額商品として、最後まで取っておきたかったのだろう。
「んー…それって……やっぱ、俺のせいなのかな……?」
眉を寄せ、唸りながら呟くワダヤマヒロシ。
それに……野分がイイ顔を見せる。
「そうじゃな!!
主が転生しなければ、この娘は、困らずに済んだじゃろうな!?
のうのう、主!!
いまどんな気持……ふひゃああ!! ふわあああ!! ふひゃああ!! ふわあああ!!
ち、ちょっと……怖…やだ、やめてってええええ!!」
久々にキャラが崩壊した野分さんであった。
その野分の悲鳴は、ワダヤマヒロシが器用にも……掌の高さを変えないまま、高速ヒンズースクワットを始めたからだった。 高速ヒンズースクワットは瞬発力が鍛えられるよね♪
と、それが……ピタリと止まる。
左ポケットの中、目をナルトみたいにグルグルさせる野分に……ワダヤマヒロシは、顔を近づけ、小声で言った。
「なあ……なんとか、出来ねーかな……?」
「ふひゃ……ふわ……なひほじゃ?」
「んー……まあ、俺の転生のせいって言われても納得は出来ないけどさ。
けど……このままじゃ、俺も後味が悪いって。
寄付とか、さ。
俺のガタイじゃ、町の中も歩けないし……頼むよ、野分」
「ふわ……ふが……ふう。
ん? 何を頼むのじゃ?」
「だから……彼女、ルビンスカヤちゃんか。
彼女を……何とか助けてくれないか」
「ふむ……? ふむ……あいわかった!!
この野分に任せよ!!」
自身満々に胸まで叩いて見せる野分。
こうして若干の誤解を含んだまま……一行はハンガーヒルに到着。
ワダヤマヒロシは、野分とルビンスカヤたちと別れてフードバトルに臨んだのである。
その結果……ルビンスカヤは翌朝、ワダヤマヒロシの奴隷として、右ポケットの住人となった。
……ホウレンソウは大事なものであると言う、いい見本であった。
・
・
・
・
・