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“テリマカスィー”が大事なのです  作者: 綾部 響
今日は!インドネシア!
8/12

動き出したら……もう誰にも止められないのじゃ……

翌日から早速仕事に。その前にもしなければならない事があるのです。

 さて、これは前話にもあった「驚きの交通事情」と被る話となるのですが。


 到着翌朝、早速仕事に取り掛かる……と思いきや、まずはしなければならない事があります。

 長期滞在(日数にもよります。大体30日、60日、90日~と、滞在日数が変動する事で、必要な書類や登録は変わってきます)と言う事もあり「滞在許可証(KITAS)」が必要です。これは現地の役所に赴いて必要書類を提出し、取得する必要があるのです。

 現地では当然インドネシア語が必要です。最低でも流暢な英会話力が必要でしょうか?

 響さん達は現地スタッフが手配してくれて、パスポートを持って行くだけでよかったのですが、もし自分だけで手配しようとすればとんでもなく手間がかかる事でしょう。

 有償で代行してくれるサービスもある様ですが、本来はそちらを利用した方が明らかに確実だと思われますね。

 

 さて、午前中はそれを済ますだけで時間が過ぎました。

 午後からは現場に入り、早速作業開始と言う段取りになりました。

 当然そこまでは車での移動なのです。なのですが……


 なんじゃ―――っ!この車とバイクの数はっ!?


 と言う程、まるで巨大な大河の様に、車とバイクで道路が埋まっているのです!

 (;゜д゜)

 よくテレビの映像で、道路に溢れ返った車やバイク、自転車のシーンを見る事はありましたが、現実はあんなものではありません!

 少しでも隙間があれば車が、そして無数の、比喩などでは無い、夥しい数のバイクが入り込んでくるのです!


 道路を所狭しと、車とバイクが先を競う様にうねりながら進んでいます。


 いえ……進んでいませんwww車とバイクが溢れかえる様な道路です。渋滞になって当たり前。だからこそ、僅かな隙間に潜り込む様な運転がそこかしこで繰り返されているのです。


 そしてこれだけの交通量にも拘らず、道路には殆ど信号がありません!

 それは正しく無法状態に拍車をかける物でした!


 それだけではありません!


 なんと、車線すら曖昧なのです。しかも対向車線ですよ?対向車線!


 右折しようとしている響さん達の乗る車の脇を、右から左からバイクが、そして時には車がすり抜けて行きます!こんな事等日本では到底味わう事が出来ない現象です!


 信号が殆ど無いので、右折する時は……強引に対向車線と思われる車線に頭を突っ込んでいくしかありません。

 思うに、この国の交通では「ぶつけない」「ぶつからない」が前提になっているのでしょう。そして「ぶつけられる物ならぶつけてみろ」と言う考えが、車とバイク双方にあるのでしょう。それ程密集して無秩序に運転しているにも関わらず、驚く程事故を目にする事は少ないのです。日本ではまず有り得ないでしょう。交通整理がここまでされているにも拘らず、かなりの確率で事故現場を見るのですから。


 兎に角この国の道路は、停まる事の無い巨大な生き物の様です。

 

 そう……動き出したら……もう誰にも止める事は出来ない王蟲の群れの様に……。

さて、気になるのは通貨事情ですね。次回はその辺りを。

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