表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弱虫テイマーは今日も頑張る。  作者: 一兄
1章 ~銀色の兄妹~
34/47

第一章 エピローグ

6月8日 月曜日。

私の心をあらわしたような雨降りだった。

傘をさしながら、ゆっくり歩いて学校へ向かう。

なんであの時の私はあんな事言っちゃったんですかね……?

過ぎたことを内心でぼやく。

……後悔しても、仕方ない、か。


そう思って、前を向く。

もう見慣れた学校を視界に見据えて、私は校門を踏み越えたのだった。


昨日は、ユウがリアルの方で「大事な約束」があると言っていたので、私と兄さんの二人でひたすら虫の巣窟に潜っていました。

お金を渡してしまったことで、かなりお財布が軽くなってしまったので、再びお金稼ぎです。

……私の分だけ多く持たせるように指示したユウのお姉さんは、こうなることを見抜いていたのでしょうかね?


そんなことを頭の片隅で考えつつ、回復魔法を兄さんにかけます。

昨日の王龍戦以来、兄さんはどうやらプレイヤースキルを磨くことを決意したようです。

……兄さんは近接職なのに、何故か攻撃スキルを使いません。

本人曰く、「対人戦じゃスキルは使い物にならねぇし、狂化状態で使えねぇ。」だそうです。


明らかにそっちの方が効率上がりそうですし……

というか対人戦前提って怖いんですけど。

我が兄は一体どういう方向へ進もうとしているんでしょうか……?

そんなわけで、一昨日の祝勝会中に、ユウのお姉さんに特訓を頼み込んでいたそうです。

なんとかお願いを聞いてもらえたみたいで、喜んでいました。

私ですか?私は対人戦なんて出来ませんよ。僧侶ですし。


閑話休題(それはさておき)


出来ることなら、昨日に戻りたいものです。

というか、一生昨日みたいな日が続けばいいのに。

そんなどうでもいいことを考えながら靴を履き替えます。


「……はぁ。」


……どうしましょうかねぇ。

悩みを抱えながら、階段を一段のぼるたびに、足が重くなります。

下を向いて、ゆっくりと階段をのぼります。

……私の輝かしい高校生活は、入学二ヶ月で終わりを迎えたんですね。

元から輝いていたわけじゃないので、あまり変わらないかも知れませんけれど。




そんなことを考えながら歩いていたから、前から来る足音に気が付きませんでした。


「……え?」


気づいた時にはもう遅く。


「ふげっ!」


向こうも前を見ていなかったのか、私の胸のあたりに顔をぶつけて、変な声を上げました。

私は体勢を維持できずに、後ろ向きに尻もちをついてしまいます。


結果、目の前から来た子に、押し倒されてしまう形になってしまいました。

……私は身長が高いほうなので、その子が抱きついているようにしか見えないのですが。


こんな状況を冷静に分析しているあたり、私も少しおかしくなってるんですかね、ストレスで。


「大丈夫ですか……?」


そう声をかけると、その子は状況が飲み込めていなかったみたいで、混乱して慌てだします。


「あ、あの、ご、ごごご!」


……あれ?この声、どこかで聞いたことがあるような……?


「ごめんなさい!ユズ!」


……え?

なんで、ここでその名前が出てくるの……?

呆けた私の顔を見て、自分の失言に気がついたのか、その子がまた慌てだします。


「……あ、これは、えっと、色々ちがくて!そ、その……」


ようやく前髪で隠れていたその子の顔が見えました。

その瞬間、思わず固まってしまいました。

……いや、運命的すぎませんかね?だって、だって……


「……ユウ?」


こんなところで友達(ユウ)と出会うなんて。


~第一章 銀色の兄妹 完~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ