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弱虫テイマーは今日も頑張る。  作者: 一兄
1章 ~銀色の兄妹~
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第一章 プロローグ

本日より、1章スタートです!


いきなり主人公視点ではないですが、混乱せずに読んでいただければ幸いです♪

「はぁ……はぁ……っ!」


……これで何十匹目だよ……うぜぇ……!


「うぜぇんだよ!」


内心の声と合わせるように、相手の頭を地面に叩きつける。

うざい。鬱陶しい。とにかく視界から早く消えろ……!

そんな思いを拳に込めて、敵の頭蓋を打ち砕く。


「……兄さん……あと何匹?」


俺と同じように疲労困憊した妹が、そう聞いてくる。


「ああっ!?知るわけねぇだろ!んなもん覚えてねぇよ!」


乱暴にそう受け答えしながら、一体一体潰していく。

ああっ!くっそうざってぇ!


「……兄さん、そろそろMP回復薬が切れそうなんだけど。」


「……ユズ、それはつまり俺への死刑宣告ってことかぁ……?」


「……兄さん、そろそろ回復魔法が使えなくなるわ。」


「知ってらぁ!」


未だにぞろぞろと出てくる蟻を潰し続ける。

ああっ!イライラするっ!


「……ユズ、ひとりで逃げれるか?」


こうなりゃ捨て身だ。「アレ」さえ発動すれば、こんな奴ら瞬殺できる。

……まあそのかわり、うちの妹も巻き添えを喰らうことになるが……。


「……兄さん、おそらくここまでくれば死に戻りした方が早いわ。」


そう言って疲れた顔で微笑む銀髪の僧侶(クレリック)の返答に、ニヤリと口角を吊り上げる。

デスペナも問題ないってか。


「……そうかぁ……!なら、「アレ」行くぞぉ……!」


そう言ってスキルを発動させる準備を始める。

先程まで苛立ちに支配されていた思考から、余計な感情が消える。

感覚は冴え渡り、胸の奥が熱くなる。

鼓動が速くなり、身体全体が熱くなる。

熱くなって……胸のうちに一つの感情が芽生えようとしたその時。


「大丈夫ですかっ!?」


背後から聞こえたその声に、集中が途切れた。

スキルを邪魔されたせいか、それとももともと積もりに積もっていた苛立ちが再燃したのか、八つ当たり気味に声の主を睨む。


睨んだ先にいたのは……一人の少年と、一匹のドラゴンだった。


「うわぁ……流石に気持ち悪い……この数の蟻はちょっと……」


「……ああ?なんだてめぇ……?」


青ざめ、震えた声でそんなことを話す少年にかなりドスの効いた声をかけてしまう。

……いけねぇな。これじゃあ完全に八つ当たりだ。


「……うん、まあ、やりますか、ラン。」


こちらの声が聞こえていないのか、そうつぶやいてこちらに近づいてくる少年。

その少年の『装備』を見て、絶句した。


「……お前、それ、どういうつもりだぁ……?」


「?……よくわかりませんが、話は後にしてください。」


そう言って、少年は片手を前に突き出し、ドラゴンに命令を下す。


「ラン、『焼き払え』」


そう命じられたドラゴンは、鳴き声で返事をした。

そして……迷宮内を明るく照らす太陽が、突如出現した。


「あれは……なんだよ。」


思わずそう呟いた。

そしてその大きな太陽は、蟻たちの大群に落ちて……辺り一面を灰燼にした。


そしてその炎は、振り返って笑う少年の横顔を照らした。

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