シャルの武具店
「ナン君、今、何ゴルド持ってる?」
「ゴルドって……金ってことっすか?」
「うん。お金。あたしたちの時は初期配布が一万ゴルドだったから、変わってるかどうかの確認したいんだ。
メニューからアイテムを選択したら、所持金額とストレージに入ってるアイテムが見れるから確認してみて。」
「分かったっす。いまから確認してみるっすね。」
そう言ってメニューをいじり始めるナン。
それを横目に見つつ、ユウがカノンに質問する。
「姉さん、戦いに行くのは分かったけど、ボク、武器すら持ってないよ?」
「だから、所持金の確認よ。この後私たちの行きつけの武具店まで案内して上げるから、そこでとりあえず買ってもらうの。」
「カノンさん、所持金は、一万ゴルドでした。」
「よし、変わってないみたいね。じゃあ行きましょうか。」
そう言って酒場を出て、街へくり出すカノン。
それを追って、サキとナンもついていく。
そして一拍遅れて、ユウも、クルシュハイトに頭を下げた後、後ろについて行った。
クルシュハイトは、その後ろ姿を見つめつつ、意地悪く笑うのであった。
街の外観とあわせた、中世的なお店の前に着いた一行。
中に入ると割と混んでいて、沢山の人が武器を見ていた。
カノンはカウンターまで近づき、幼い女の子のNPCに話しかける。
「シャルに伝えて。『早く出てきなさい。さもなくばあなたのアレをこの場で朗読する』って。」
「はーい!シャルおねーちゃーん!」
奥へ入っていく幼女NPC。
10秒後、急いで走って出てきた1人の少女。
プラチナブロンドの髪を揺らし、肩で息をしている。
その少女に、カノンは笑いながら話しかける。
「3日ぶりね、シャル。元気だった?」
「たった今あんたが来たせいで元気がなくなったわ……。……で、用件はなに?」
「この子達に武器を作ってあげて欲しいの。」
そう言って、カノンは後ろの2人の方を向く。
ユウは、周りを物珍しそうに見ており、ナンはナイフを手に取って感触を確かめている。
「……あんたの紹介にしては、ひ弱そうな子達ね。」
「うちの子の方はともかく、ボサボサ頭のナン君の方は面白いクラスよ。……ここではこの話をすべきじゃないわね。応接室に案内して?」
「また横暴な……。あんたの店じゃないのよ?ここは。」
「あの2人、ユニーククラスなのよ。」
「なんでそれを早く言わないの!……こっち、来なさい。」
そう言ってシャルは店の奥に入っていく。
それに黙ってカノンはついて行く。
その後ろを、サキとユウがついて行き、遅れて気がついたナンが走って後ろへついて行く。
そんな四人を、物珍しそうに周りの客は見ているのであった。




