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第一話

    小タイトルはたいていノリなのでご了承ください


とある国に山々に囲まれた小さな村があった。




そこはコンクリートよりも、アスファルトよりも、田畑の面積のほうが広い。

大きなデパートや住宅街など無く


ショウウィンドウなど、ある店のほうが珍しかった・・・・・










村の名は「美保村」



この物語はそんな田舎の村の



平凡な青年の




別に書かなくてもいいようなどうでもいいところから始まる・・・







「お〜い。城山〜いるか〜?今月の家賃払え〜。」

大家が13号室と書かれたドアを叩く。ここはこの村にある唯一のアパートだ。先に言っておくが、このアパートの部屋数は4つだ。一階に1号室と4号室、二階に13号室と9号室だ。

・・・・平凡なアパートと言ったのは取り消そう。

「城山!出て来い城山〜。」

こう呼ぶのはここの大家、鈴木孝和だ。ここには住まず、隣で飲食店を営んでいる。

「・・・・・・・・・」

ドアの向こうからは物音ひとつしない。

孝和は何のためらいもなく合鍵を取り出すとドアを開け、ずかずかと入ってゆく。

そして、タンスに近づきゴソゴソ中をあさると・・預金通帳とはんこを取り出した。

「ちょっっっっっっっっと待たんかぁぁぁぁぁい!!」

押入れの戸が勢いよく開き、中から人が出てきた。

そう、この眼鏡をかけた、見るからに冴えなさそうな青年がこの部屋の住人だ。

彼の名は城山竹人。凡人だ。

「んだよ・・いるなら返事しろって・・・。」

「いやいやいや、お前やってること完全に泥棒だからね。」

「隠れるってことは家賃ねーんだろ。取り立てても無駄だから・・」

「もう少し粘れよ!一分経ってねーから。」

「んなもんめんどくせーよ。」

そう言って立ち去ろうとする孝和。

「わ〜〜〜待って!それ持っていかれたら明日から食べるものが・・」

孝和の足にしがみつく城山。

「んじゃあ出てけ。」

「えええぇ!」

「家賃払えねえなら今すぐ出てけ。」

「そ・・そんな・・。」

冬も真近に迫ったこの時期に野宿は厳しい。

「あ・・・明日!明日までにぜっったい払うから!今日はカンベン!」

そう言い手を合わせて頼み込む。

「勘違いすんな。貸りてもらってるんじゃねえ貸してやってんだ!わかったらさっさと・・」

「マアマア大家サン。ソンナニ憤ラナイデ。」

不意に入り口から声がした。そこにいたのはショータ。1号室に住む外国人だ。

「あん?どうしたんだよ?」

孝和が聞く。

「上の階デドタンバタンヤラレテモ迷惑ナンデス〜、ダカラ落チ着イテクダサーイ。彼ノ分ハ、ワタシガ払イマスカラ〜。」

そういって金を出すショータ。

「ま、そういうことならいいや。」

孝和はそう言うと金を受け取って帰っていった。

「あ・・ありがとうございますショータさん。」

孝和が帰った後、城山が口を開いた。

「なるべく・・できるだけ早く返しますから・・」

「3倍な。」

「・・・・は?」

「だから・・三倍にして返せよって言ってんの。」

そう言うとショータは帰っていった。

「・・・・・・・・・・・」

ちなみに、ここの家賃は1DKで月々五万円。周りはほとんど田んぼ。

・・ぼったくりだ。

一人残された城山は大きくため息をついた。

「・・・野宿しときゃよかったな・・・」

そう


山賊が暴れてはいるが平和なこの町で


明日


何かが変わるなんて


知る由もなかったのである・・・・




                                    つづく


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