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ユニットバスから出たら、そこは異世界でした。  作者: 真弓りの


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念願のお食事タイム!

そんな苦労の果てにやっと手に入れた丸1日ぶりの食事は…はっきり言ってまずかった。


いや、最初の3口くらいは凄く美味しく感じたんだよ。胃袋もキュうって激しく動くくらい嬉しかったんだけど…なんせ、味がない。調味料が一切ないんだから当たり前だけど、とにかく味気ない。


お腹は満たされても、気持ちが全然満たされない事ってあるんだね…。


幸いいきなり舌が痺れるような、いかにも毒物はなかったみたいでそこは一安心。極端に苦い葉っぱとただただ変な味だったキノコを除いては、充分食料として使えると思う。


もそもそと素材の味丸出しの植物やキノコを食べながら、チラチラと蛇っぽいのをチラ見する。


……喰うか?



キノコとか食べたから、取りあえず今は命の危険を感じる程腹ペコじゃない。そうなると途端に「蛇か…」という贅沢な気持ちが頭をもたげてくる。


しばらく迷って結局食べて…愕然とした。



……美味しかったんだ。



なんというか焼き過ぎてパリパリしてるくらいだったんだけど、それ故になんか香ばしくて何処と無く干物みたいで。


まさか蛇を美味しいと思ってしまう日がくるとは。若干ヘコみながら蛇の尻尾から10cmほどを美味しくいただいた。


そして!!お待ちかねのデザートタイムに突入!!!


聞いてよ!当たりがあったのよ!甘~い香りがしてたから、凄く凄く期待してたんだけど、まさに熟れた桃のような芳醇な味わい。たっぷりとした果汁にみずみずしい果肉。皮も薄くて刃物がない私にも食べやすいご褒美果実。


劇的に酸っぱかったり辛かったり、個性派揃いだった果物達にゲンナリしかけていたけども、天は私を見放さなかった!明日からはこの果物を狙って採取しよう。



ちょっぴり幸せな気分で後片付け。辛過ぎ、酸っぱ過ぎで食べ切れなかった果物を森に還そうとして、ふと手が止まった。


これって…もしかして、調味料に出来るんじゃない?


単体で食べると激マズだけど、さっきの何の味の変化もない植物達にちょっぴり足せば、もしかして味のアクセントになるんじゃない?


一生懸命記憶の中の香辛料のイメージを思い出す。あれって確か…大体乾燥してた。干せばいいのか?




…僅かながら物干しもついている洗濯機用スチール収納に、今や訳のわからない果物や木の実、そして焼き蛇がぶら下がっている。


機能性重視の洗濯機用スチール収納の中から、吟味に吟味を重ねて可愛いデザインにしたのに。

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