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ユニットバスから出たら、そこは異世界でした。  作者: 真弓りの


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お出かけ準備は入念に

刃物といえばムダ毛処理用のカミソリしかない。これでどうやってサバイバルしろって言うんだ。


情けない気持ちでもう一度お風呂周りを見回して…ある物に視線が釘付けになった。




………ライター!!!




ライターがある!!


そうだよ!私の癒し、水に浮かぶアロマキャンドルのためにライター常備してたんだ!でかした私!


良かった!

どう考えても自力で火なんか起こせそうにない。大切に、大切にしなければ!



ライターを見つけてから、私はとにかく真剣に収納の中身を吟味した。ユニットバスに置いてる物なんか…と思ってたけど、他にも掘り出し物があるかも知れない。


案の定、旅行用のソーイングセットの中には針と糸は勿論小さいハサミが入っていたし、洗面台の鏡の裏の隠し収納からは存在自体を忘れていた懐中電灯まで出てきた。


そうして1時間ほどかけて厳選したお出かけグッズは、当初想像していたよりは遥かにまともで、頼もしい物になったと思う。


着替え1セットに詰め替え用ボディソープ、ウェットティッシュやビニール手袋、歯ブラシ、コップその他諸々をバラバラにならないように洗濯ネットに小分けにして入れて、バスタオルでくるんで背負ってみると、不恰好ながらも動ける程度に纏まっている。


考えたくないけど、もし、もしもこのユニットバスに戻って来れなかったとしても、なんとか暮らせるかも知れないくらいの物は持ち出す事が出来るんじゃないだろうか。


ちなみに採取用のバケツの中には気休めだけど虫除けスプレーと殺虫スプレーを入れてみた。この世界の虫にも有効かは、使ってみるまで分からないけどね。


頭にタオル、左手にバケツ、足にはスリッパ、お召し物はスウェットという乙女らしからぬ格好で、いよいよ再び扉の前に立つ。



深呼吸……!私ならやれる!多分大丈夫!行くんだ、私!!



でもさ…武器になるような物がないんだよね…。いや、戦えるとはこれっぽっちも思ってないけど、昨日変な遠吠え聞こえたし…丸腰はいくら何でも怖過ぎない?




弱気な私が、踏み出した足をやんわりと押しとどめた。


…だよねぇ、なんかこうリーチがある物が欲しい。でもなぁ…そんな都合のいいもの…



あ…あった…!



諦め気味に視線を巡らせたら、今まで背景扱いしていた物が突然目に入ってきた。


そうよ、シャワーカーテンの突っ張り棒があるじゃない!!


プラスチックだから本気で何か叩いたら壊れるだろうけど、それでも振り回せるし草むらを掻き分けたりちょっとした杖代わりにするには充分だよね。


ついでにシャワーカーテンも持って行こう。雨が降ったらカッパに出来るし、いざとなったらテントにだって使えるかも知れない。

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