表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/14

さすがに受け入れるしかないか…

まぁ朝起きたら当然体中痛いわ、扉を開けたらやっぱり森だわで、さすがの私もそろそろ幻覚じゃないと気付いたわけで。


しかも空はライムグリーンだし、3つの柔らかな光を放つ太陽まであるときちゃ確実に地球じゃないとも思えたわけで。


ああ、なんだかとんでもないことになったと自覚したのは、最初に異変を感じてから12時間以上が経過した、翌朝9時15分の事だった。




それからたっぷり3時間。私はまだユニットバスから離れる勇気を出せずにいた。


だって、もし私が外に出た途端、このユニットバスすら消えてしまったらと思うと、怖くて離れる気がしない。


どうなってるのかはサッパリだけど、お風呂だって沸かせるし、トイレも洗面所の水も普通に出る。あまつさえドライヤーや洗濯機だって動くんだもの。絶対に手放したくない環境だ。


ただし、食べるものがない。


私と一緒に異世界に来ちゃったのはユニットバスだけで、当然風呂やトイレに食料なんか置いてないし。夕べ食べたっきり、水しか口にしていない私のお腹は、そろそろ声高に空腹を主張し始めていた。


いつまでもユニットバスにしがみついていたところで、食料がなければいつかは飢える。本当に飢えるまで我慢したら、いざ食料を手に入れようと思っても満足に動けないだろうし…動くなら、昼間がいいに決まってる。


午前の時間を既に無駄に浪費してしまった私は、嫌だろうが何だろうが、意を決して外に出るしかないんだよ。


自分に言い聞かせながら、ユニットバスの中にある全財産を目の前に並べていく。


長期戦になるならある物を計画的に使わないといけないだろうし、ここを出て戻って来れる保証なんかないから、持っていく物は厳選しないといけないし。


現状の把握は最優先だ。


幸いユニットバスはこのマンションに決めた時、一番こだわったポイントで、収納付きの洗面所やランドリーまで一体になっている。お洒落なだけでなく、機能性だって抜群の私の自慢の空間なのだ。


収納していた物を全部引っ張りだして並べていけば、結構な量になった。


シャンプー、リンス、ボディソープにボディミルク、フェイスウォッシュ…そしてサバイバルには何の役にも立ちそうにないアロマや入浴剤たち。



本っっっ当~~~に!がっかりする!


いつもは私を癒してくれるアロマも入浴剤も、ぶっちゃけ何の役にも立たないよ!せめてキッチンだったら包丁とかあったのに!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ