第3話 『新たな名前』
フレアちゃんに手を引かれ、家についた。
「あらお帰り。」
と、デェーンさんが言った。
「ただいまです。」
と私。
私が名前について聞こうとしたら、一歩先にフレアちゃんが話し出した。
「お母様!この子に名前をつけてあげよう!私にもそうしてくれたように。」
フレアちゃんはワクワクした様子でキラキラした眼差しをデェーンさんに向けた。
「そうね。当分はうちで預かることになるだろうし、フレアと同じようにトランペット家の名前もあげようか。」
「そ、そんな簡単に頂いてしまっていいのですか、、、。」
あまりの軽さに恐る恐る聞いてみる。
「いいのよ。この世界にはあなたみたいに死に際に紛れ込んでくる人たちが少なからずいるの。私もあまり詳しくないのだけれど、時空の歪みとか何かが関係してるらしいわ。ま、それはともかく、この世界で生きるのはあなたが昔から持っている常識とは全く違うことが起こるからとても難しいの。トランペットという名前はいざこざに巻き込まれなくて済むいい名前なのよ。だから私の元に来る子羊ちゃん達にはトランペットという名前をあげるの。生きやすいようにね。」
「なるほど…」
合点がいった。なるほど。トランペットは名家であるから面倒事には巻き込まれにくいのだろう。何かあれば直ぐにこの世界の警察的な何かが仲介に来るのだ。ありがたい話だ。
「それで…名前の方は…」
「そうね。あなたに出会ってから考えていたわ。」
ワクワクしながらデェーンさんをみつめる。名前なんて人生に1度しか貰えないが、それを2度も貰えるなんてなんて嬉しいんだろう。と思うと同時に自分の名前を付けてくれた親はどんな人だったのだろうと思い出せもしない記憶を探ろうとして、やめる。私はこの世界で生きていくんだと。
「あなたの名前は…」
これからどんなことが起こるのか、この時は希望に満ち溢れていた。この後何が起こるか想像もつかなかった。出会いがあれば別れがある。そんなことはあたまにもなかったのだ。
「ディーラよ。」
その名前に込められた意味は。
5年ぶりにジャジャジャジャーン。別のお話をかきはじめて、そういえば過去に一瞬で連載を終わらせてしまった作品があったなと思い出し、見つけ出しました。ログインパスワードも覚えてました。奇跡。新しく書き始めた方をメインにやっていきたいのでこちらは気が向いたら書く程度になるかと。まあ、5年も前の幼い設定ですから裏もなにもないので、、、笑
また次回!