【13】
本当の私は、問題児だ。
今回のように自暴自棄になり癇癪を起こし、手の付けられないような事を子供の頃から何度も何度も繰り返してきた。
機嫌の良い時と悪い時の差があまりに激しい。
私には、二人のお祖母様が居た。
たった一人の孫という事で溺愛されていた。
我侭し放題の幼少期。
そして、もの心が付く頃には母上は光の神殿の大巫女として聖女として存在していた。
すでに、私の母上ではなかった。
父上は日に日に母上に似てくる私に対し、どう接していいのか分からなかったようだ。
父上と母上は幼馴染み。幼い頃の母上と重なる事もしばしばあったに違いない。
私を望んだのは、伯父王だ。
それは世継ぎとして。 それでも、まだ、私の傍にはおじさまが居てくれた。
でも、それも永遠には続かない。
騒ぎに気付いた侍女達が私を取り押さえ、泣き喚く私を宥め落ち着かせようと必死になる。
私の愚劣な行為に慣れている侍女達は手に持っていた裁ちバサミを素早く奪い「しっかりなさって下さい!!」と声を上げた。
あの後、長かった髪は跡形も無く顎のラインで綺麗に揃えられてしまった。
侍従長のカツティナが私の切り離された髪を銀の箱の入れて「これは、つけ毛にでもしますね」と言っている。
政務官は「陛下さえご無事であれば、何も申しません」と平伏してる。
私は歯を食い縛り、泣かぬように瞬きもせず何も無い世界を睨んだままでいた。
その夜、私は城内から姿を消した。




