聖女アリステラ
新連載です!!
月の淡い光をほうふつとさせる銀色の髪が、風を受けて柔らかく揺れている。
白を基調とした祭服には淡い青や紫の装飾が施され、胸元や腰には蒼い甲冑を身にまとっている。
「なんて……お美しい……」
やがて一人が膝をついた。
「聖女様……白銀の聖女、アリステラ様。どうか、私たちをお救いください……」
それを合図にしたかのように、アルトミラン王国の民が次々と跪き、深く首を垂れていく。
聖女アリステラは宝石のような金の瞳で国民を見つめながら、そのすべてを受け止めるように、人民救済の祈りをささげる。
「どうか、この者たちに救いを――」
その瞬間。聖女の身体から、柔らかな光が広場を覆い、傷ついた者たちを包み込んでいく。
裂けた肌は塞がり、痛みに伏していた者は立ち上がる。
飢えに震えていた身体には力が戻り、絶望に沈んでいた瞳には、再び生きる光が宿る。
「ありがとうございます……ありがとうございます。まさにあなたこそ神のお使い!」
すべての苦しみから解放された国民はまるで本物の神を見るように聖女を見つめている。
聖女はその眼差しに応えるように、苦しむ者のもとへ歩み寄り、その手を取り、また祈る。
ただ一人、彼女の一歩後ろを歩く青年だけは、その光景を違う目で見つめていた。
「あなたが世界を救うというのなら。俺は、そんなあなたを救ってみせる」
私だけは知っている。あなたが癒すたびにその命を削っていることを。誰かを救えば救うほど、彼女自身が死へと近づいていくことを。その奇跡の代償を。だからこそ、何があってもあなたを救う。私が救う。あなたを縛る運命からも、聖女という宿命からも、すべてから。たとえそのために、私の命が尽きようとも。




