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第三章 魔王軍幹部との対戦(セラ戦・正式戦)

市場での出会いから三日後。セラが正式に王都の門前に現れた。


「勇者とやら。私が相手をしてあげる」


レイはセラを眺めた。構えを見る。重心の位置。大剣の持ち方。踏み込みの癖。


「前回より重心が低いですね。修正してきましたか」


セラの眉がぴくりと動いた。「……見ていたの?」


「癖を観察するのは習慣です。大剣使いですね。リーチが長い分、振り終わりの隙も大きそうです」


「黙りなさい!」


空気が爆ぜるほどの踏み込み。セラの大剣が鋭い金属音を響かせ、レイの首筋を目がけて一閃された。


しかしレイはアケコンのレバーを瞬時に操作していた。


わずか数センチ、紙一重の距離で上半身を後ろに引く。セラの体勢が剣の自重によって流れた。


レイの右手の指が、ボタンを叩く。


↓↘→+強パンチ。


魔力の衝撃波がセラの胸元へと炸裂した。セラは石畳の上を滑るように弾き飛ばされた。


「くっ……あ、あり得ない!見てから動いたというの!?」


「言ったはずです、振り終わりの隙を狙ったと。それから、行動パターンが直線的すぎます。もっと選択肢を散らした方がいい」


セラが固まった。


アルフが後ろで囁く。「……勇者様は今、敵に弱点の改善策を教えましたか」「はい」「なぜですか」「わかりません」


「黙りなさい!力でねじ伏せる!」


激昂したセラが再び突進する。三連続の突き、強烈な下段の払い——レイは二手先を読んでいた。


「三段目の後に必ず前進。そこが割り込みポイントです」


↓↙←+弱パンチ(対空)。


上昇するレイの膝がセラの顎を完璧に捉えた。


本日二度目の激しい打撃を受け、セラは地面に力なく膝をついた。


「対戦ありがとうございました」レイは淡々と言った。「魔王に伝えてください。次の対戦相手は、もう少し読み合いができる存在をお願いします、と」


セラが悔しさと困惑に満ちた目でレイを見上げた。


「……もう一度だけ戦ってください」


「いいですよ。ただし同じ行動パターンだとまた同じ結果になります」


この日の夜、セラは魔王に報告した。「あの人間……倒せませんでした。しかも戦いながら私の弱点を指摘してきて——光る板を操作すると魔法が出て、なぜか的確で……」


魔王がかすかに笑った。「面白い勇者だな」


「魔王様は、あの人間と戦いたいのですか?」


「……ああ」ヴァルドは窓の外を見た。「千年ぶりに、そう思う相手が現れた」


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