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ガイ・グレーム・クロイドンの黄金の五年間  作者: 水前寺鯉太郎


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びんの なかの まほう

4がつ 2にち


きょうは あさから びょういんに いった。

 しろい ふくの せんせいが、 ちいさな びんを くれた。

 なかには あおい いろをした おみずみたいな くすりが はいっていた。

「ガイくん、これを のむと あたまの なかの きりが はれていくよ」

 せんせいは そういって わらった。

 ぼくは ごくんと のんだ。 ちょっと にがくて、 あとから はっかあめみたいに すーすー した。

パンやに かえって パンを こねた。

 なんだか ふしぎな きぶんだった。

 いつもは ただ ぎゅっ ぎゅっ て するだけなのに、 きょうは 「こな」 の つぶつぶが てのひらに あたるのが よく わかった。

 おみずの つめたさも、 きのうより ずっと はっきり かんじた。

「ガイ、 どうした? きょうは てつきが ていねいだな」

 ギルバートさんが びっくりして いった。

 ぼくは 「くすりを のんだからかな」 っていって わらった。

おひるに また あのおにいさんたちが きた。

「よお、 はっぴー・ガイ。 きょうも おめでたい つらしてるな」

 おにいさんたちが そういって、 ぼくの あたまを たたいた。

 きのうまでは 「あそび」 だと おもって ぼくも わらっていた。

 でも、 きょうは すこし ちがった。

 おにいさんの めが、 ぜんぜん わらっていないことに きづいてしまった。

 口の はしっこだけが つりあがっていて、 なんだか へんな かお。

 ぼくの むねの あたりが、 ちくっと いたくなった。

 これは なんだろう。 

 ぼくは へらへら わらおうと したけど、 うまく かおが うごかなかった。

おにいさんたちが かえったあと、 ぼくは かがみを みた。

 そこには おおきな からだをした おじさんが うつっていた。

 さんじゅうごさいの ぼくだ。

 ぼくは いままで じぶんの かおを あんまり みたことが なかった。

 ぼくは こんな かおを して、 あのおにいさんたちの まえで わらっていたのかな。

 なんだか きゅうに はずかしくなって、 ぼくは      いそいで パンの こなを さわった。

よる、 にっきを かいている。

「はずかしい」 っていう ことばを おもいだした。

 あしたも くすりを のむ。

 もっと かしこくなったら、 この むねの ちくちくも なくなるのかな。

 おやすみなさい。

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