幼馴染になぜ告白しないのですか?だってそれは…
休み時間…
あー寝みー…
今日は、とにかく眠いので友だちとも戯れずボーっと時を過ごしていた。
それもこれも、幼馴染の実花のせいだ。
なかなかゲームを終わりにしないから…
てか、オレも熱中しすぎたのも悪いけどさ…
楽しすぎなんだよ!
実花とのゲーム‼︎
ボーっとしていると、オレの隣の席の女子が前の席の女子と話をしていた。
「スープが冷めたらどうする?」
って。
すると、
「捨てる」
と、即答する女子。
「あー、だからだよ」
「え?なにが?」
「スープも恋もいつか冷めるよね?ってこと。だから、それをスープであてはめたの。だから、雪は冷めるとすぐ別れるんだねー」
「たしかに。で、瀬那は?」
「新しいのにかえるー」
「あは、わかるー。すぐ彼氏のりかえるじゃーん」
「それなー」
と、二人が笑っていた。
こえー会話だな。
「で、遼は?」
⁉︎
いきなりオレに会話をぶん投げてきた瀬那…。
「オレは…冷める前に、冷めないように保冷の水筒入れる…かな」
「「ギャハハ‼︎」」
二人から、めっちゃ笑われた。
え?
「なんで笑うんだよ…」
「だって…めっちゃ冷やして冷や冷やじゃん‼︎もしかして、保温の水筒みたいなこと言いたかった?」
「あー、うん」
「へー、じゃあ実花は幸せだ」
…
「実花…関係ないじゃん」
「「またまたぁ♡」」
…
休み時間、二人の女子に絡まれた…。
散々な休み時間やん。
おかげで、目が覚めましたとも。
…スープねぇ。
スープの話をしたもんだから、オレはスープが飲みたくなった。
学校から帰って、すぐさまコーンの入ったスープを大切に二階へ運んだ。
二つ。
欲張りやんって思われるかもしれないけど、もう一つは、実花のだ。
絶対来るし、飲みたがること間違いなしだ。
そして、すぐさまやっぱりきた実花。
「わぁ、このスープ好きー」
「オレもー好きー」
冷めないうちに、ふーふーして飲んだ。
「…なぁ、実花はスープが冷めたらどうする?」
「え、冷める前に急いで飲みきるに決まってる!あっち‼︎」
…実花は、スープに夢中だった。
てか…一気に飲みきるとか、ほんと食い意地半端ねーな。
それって…恋に当てはめるの、むずいなぁ。
この質問は、ムダすぎた。
「ゲームはじめよ!」
「おう」
ゲームする頃には、すっかりスープは、空っぽな実花のカップ。
喰われるな…
実花と付き合ったら…速攻で喰われるんだ。
…
こえーぜよ。
「実花、今日薄着じゃね?」
「それなー。意外と寒かった」
「ほれ、上着。貸すよ」
「わーい。ありがと」
ゲームを一緒にして、お菓子食ってスープ飲んで、充実した放課後ライフをおくっている。
いや、おくっていたんだ。
しかしです…
しかしですね…
幼稚園も小学校も中学も高校も一緒。
…
いつまでこのまま⁇
当たり前にずっと安定の一緒…
まぁ…それなりに環境の変化は、ありましたよ?
バイトだって、お互いしてるし…友だちだって、増えてるわけなんだわ。
でも、お互いなんにもなければオレの部屋でゲームして、近況報告会をしている。
かわらずの日々。
こんなことあったから、今度実花にあれ話そうとか、友だちと行ったカフェが美味しくておしゃれだったから、今度実花とも来たいなとか、ずっと実花がオレの中にいる気がする…。
でも、それっていつまで⁇
まさか…
まさか、このままおじいちゃんおばあちゃんになっても、このまま⁉︎
安定の同じスープくらい同じすぎるって…
いや、いつ飲んでも安定の味は…そりゃ素晴らしいよ?
でも…
オレ達は…安定しすぎてどうなのよ⁉︎ってなりますよね。
いいんです。
安定が一番‼︎
「ねぇ、遼ってコーンスープ好きだよね」
「うん、好き。大好き」
「知ってるー」
…
実花は、たまにコーンスープ好きだよねって、聞いてくる。
なんなら、オレからコーンスープって好きーと、発信している。
これがまた、大事なひとときだったりする。
オレは、実花が好きだけど…いままで一度も好きと言ったことがない。
なんなら実花も、ずっとオレのそばで笑っていてくれていて、たぶんオレのこと好き…なんだと思う。
オレが告白されたとき、恐る恐る聞いてきたんだ。
好きなスープは?って。
だから、オレはもちろんコーンスープってこたえた。
そしたら、実花がホッとして笑ったんだ。
そもそも、オレは…ずっと実花が大好きなのに、なぜ告白しないんだよってまわりの友だちから、よく言われる。
でも、大学生になるまでこの気持ちを伝えるつもりは、ない。
べつに実花からの告白まちでは、絶対ない。
なら、チキってんのか?って思われるかもだけど、それもない。
じゃあ、なーんだ?ってわけなんですが…
それは、もちろん早く付き合えば付き合うほど、別れのリスクが高まるからだ。
なので、大学生になったらきちんと気持ちを伝えるつもりだ。
別れのリスクは、絶対高めたくないのだ。
オレは、実花と結婚したいのだから。
そして、ついに大学生になり、気持ちを伝えた。
実花は、やっと言ってくれたねって笑った。
もうおそいから手遅れとか、なんでいつまでも好きって言ってくれないの⁉︎って発狂もせず、ずっと待っていてくれた。
さすがオレの愛する人♡
で、お付き合いが始まって、はや七年が経過した。
「ねえ、遼…遼ってなんでコーンスープがそんなに好きなの?」
休日の朝、実花が朝日に照らされながら聞いてきた。
「そりゃ、もちろんオレたちの愛のスープだからだよ」
「やっぱりか。高校の頃流行ってたもんね。スープ冷めたらどうするって心理ゲームみたいなこと」
「うん。オレたちの愛のコーンスープは、どう?」
「もちろん冷めてないし、なんならもう少しでコーンの粒がふたつ増えるよ?」
と、微笑みながらお腹をさする実花。
「えー‼︎‼︎マジですか⁉︎」
「うん」
オレたちは、喜びあって手を取り合った。
取り合った手と手にはめてあったお互いの指輪が朝日に照らされて、とても輝いていた。
素敵な朝に飲むコーンスープは、格別だ♡
カンパイ♡♡
オレたちのスープは、永遠にホットです♡
おしまい♡




