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12/24

 …

 ……

 ………


 あの子の遺骨を食べた。

 口溶けは非常に悪く、

 喉につっかえて咳込み、

 胃の中が焦げ臭いような気がした。


 …

 ……

 ………








 無宗教でも何でも、日本ではあまり関係ない。12月24日といえば、クリスマスイブ。クリスマスパーティーやら、カップルのデートやら、目に映る人々がみんな浮き足立つ、今日、この日。



「ウミはさぁ、彼氏ほしいーとか思わないわけ?」



 私の隣を歩く女性――サクラが、両ポケットに手を入れて、寒そうに身を縮こませたまま私に問いかけた。


 私はサクラをちらりと横目で見た後、光輝く街中のイルミネーションに真っ直ぐ目をやり、淡々と答える。



「思わないね」

「知 っ て た。彼氏の『か』の字も、ウミから聞いたことがないし。女友達2人で毎年パーティーなんて、寂しくないのー?」



 白い息と共にほんのりと漏らされた不満を、私は聞かなかったことにする。




 私とサクラは中学校で隣の席になったのをきっかけに、親しくなった。初めましてとは思えない程に会話が弾んだ。

 会話のテンポも、互いの知識量も、大切にしている価値観も。何から何まで同じで、一緒に居て楽しいことしかなかった。

 高校も、そして今通っている大学も、お互いの希望がたまたま一致して入学した。離れたいなんて思わないけれど、離れることのできない、いわば腐れ縁のような関係になりつつある。





「ま、もしかしたら今年が最後になるかもしれないし。しょーもない男を誘うより、ウミと居るほうが面白いもんなー!」



 反応のない私に構ってほしそうに、サクラが私と無理やり腕を組んだ。全く温かくないサクラの指が、私のポケットの中で絡まる。


 社会人を目前とした大学4年生の私たち。いくら腐れ縁に近しくとも、就職先まで被るようなことはなかった。互いの職種は休みが不定期で、簡単には会えなくなることを、知っていた。

 


「社会人になったら、誕生日、祝えるかな」


「急になに言ってんの、祝いに来てよ! 0時までちゃぁんと待ってるからさ」



 ぽつりと溢した言葉に、屈託のない笑顔を返される。仕事が終わって夜中になっても会いに来るんだぞ、と、そんな意味を含んだ返答に思わず笑った。



「サクラのことも待ってるから、ちゃんと来てよね。ホールケーキも、忘れずに」



 当たり前。そう言って、ポケットで繋いだ手に力が入った。私も同じ力で握り返す。



 大丈夫だよね、私たちなら。

 今よりは会えなくなっちゃうけど、きっと、

 大人になってもずっと友だちで居られるよね。


 サクラの誕生日は4月11日。社会人が始まったばかりの日付。でも、お祝いしたいな、と。カラフルに点る光たちを、ぼんやりと見つめていた。

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