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地獄

ーー約5年前ーー


「ごめんね、()()。お母さん、貴女が大きくなる姿を見られそうにないわ。」


 母親は子供を膝の上に乗せて頭を撫でながら優しい声で話しかける。


「お母さん、どうして?私が成人したら2人で世界を見て回るんでしょ?色んな場所を旅して色んなモノを食べようって言ったよね?その約束はどうなったの?」


 子供の無邪気な問いに母親は申し訳なさそうに答える。


「そうねぇ…そうなったら私も嬉しかったのだけれど…ゴホッゴホッ!ウプッ!!…はぁはぁ…お母さんこんなだから…ごめんなさいね。」


 母親は口から吐き出しそうになる血液をグッと飲み込む。しかし、その子供は事の大きさに気付いていない。


「そっか…でも、私はお母さんと一緒に居られればそれでいいの。今日はどんなお話してくれる?」


「うふふ…ねるはやっぱりいい子ね。今日は西の帝国の辺境の村、リスペルについてお話ししましょうか。その村はね、周りが大きなお山に囲まれた場所で動物さん達が沢山いるの。本によれば、村の中心には大きな噴水があってね、そこに色んな動物たちが集まって…………」


「うんうん、それでそれで?」


 外の世界を夢見る親子の夜の時間は、娘が寝落ちするまで続く。しかし、その日は娘が朝起きても母親が目覚める事は無かった。




 少女は突然母親を失った悲しみに暮れていた。その日に行われた簡単な葬式を終え、親子の部屋に帰ってきた少女は母親の遺品を前にして部屋の隅で泣き続けていた。


「お母さん……グスッ…」


「失礼致します、お嬢様。」


 部屋で泣き続ける少女に対して、部屋に入ってきた執事は無機質な声で話しかける。


「女王陛下の命によってこの部屋は即座に撤去させていただきます。お嬢様のこれからについては、陛下の側付きメイドとすると、陛下より承っております。今すぐに来ていただきましょう。」


 あまりに無慈悲な命令を聞いた少女は、母との思い出を守ろうと必死に反論する。


「待って!ここはお母さんが大切にしていた本があるの!!外の世界を夢見たお母さんの希望が!!だから、この部屋だけは!!」


「いいえ、すべては陛下の御命令のままに。失礼いたします。」


「いや!やめて!!」


 その執事は嫌がる少女を無理やり持ち上げて外に運び出した。少女は必死に抵抗するが、力の差がありすぎて無駄な抵抗だった。少女は執事の肩の上から、母親の部屋に入っていく何人ものメイドの姿を見た。そして、彼女らが今からやろうとしている事を悟った少女は絶望しながら大声を上げる。


「ダメ!それはお母さんの!!やめて!!」


 少女の訴えは虚しくメイドたちは部屋に続々と入って行き、少女はそのまま連れて行かれてしまった。後日知ったことだが、母親の部屋は解体され、本だけで無く衣服や思い出の写真なども全て燃やされてしまったそうだ。

 そして、執事に連れて行かれたその日から少女にとって本当の地獄が始まった。




「このマヌケが!!何度言えば分かるの!?ここに埃が残ってるじゃない!」


「も、申し訳ありません。すぐにやり直しを…キャっ!!」


 部屋の主である女は、掃除をしようとした少女を思い切りビンタした。


「はっ!!その鈍感なところはあのクソッタレなアンタの母親にそっくりよ。それより、何で雑巾なんかで拭こうとしてるの?ふんっ!」


 倒れた少女の首根っこを掴んだ女は埃のある部分に少女の顔を押し付ける。少女も僅かに抵抗するが、腰の部分を踏みつけられ、首元を掴まれていたのでどうしようもなかった。


「アンタみたいな下賎な女にはこれがお似合いよ。その舌で汚れを舐めなさい。そうでもしなきゃ綺麗にならないでしょ?」


「うぅっ!!…は、はい。分かりました…」


 初めて口にした埃や水アカなどの汚れの味は最悪だった。その後も、何かと難癖を付けられてあらゆる所を舐めさせられた。トイレの便器を舐めさせられた時は、酷い吐き気を催した。それ以降、少女はそのトラウマから、しばらくは何も喉を通らなくなった。



ーー別の日ーー


「喜びなさい、今日1日、妾の椅子にしてあげるわ。早くここに膝をついて這いつくばりなさい。」


「…分かりました。」


 少女が膝をつくと女はワザと強めに少女の上に座る。


「っ!!」


「ちょっと、動くんじゃないわよ。危ないでしょ!」


 そう言って女は這いつくばった少女の指を踏んだ。それによって少女は痛みでバランスが崩れ、女が落ちそうになる。


「おい、椅子が動くなって言ってるでしょうが!!調子に乗るなよ!このクソ女が!!」


「グゥッ!」


 女は座ったまま持っていた扇子を少女の頭に思い切り打ちつけた。頭から少し出血した少女は倒れそうになるが、なんとか踏ん張ってこれ以上やられないように動かずに椅子になり続けた。

 しかし、その後も何かある度に全身をぶたれ、その回数は合計30回以上だった。



ーー数年後ーー


「今日で、妾のメイドは解任よ。連れて行きなさい。」


 そう言って少女は兵士たちに無理矢理連れて行かれる。日々の虐めによって、反抗する気力もほとんど失っていた少女が連れて行かれた先は地下牢だった。放り込まれるように汚い牢屋に入れられた少女に対して兵士が声を上げる。


「今日からここがお前の家だ。女王陛下に楯突いた報いをしっかりと反省しろ。」


「…あの…私は何をすれば…っ!!」


 少女が声を出す前に兵士が剣の鞘で少女を殴り付ける。


「誰が口を開いていいと言った?次に勝手に喋ったら殺すぞ。」


 殴られて真っ赤に腫れた左腕を押さえながら少女はその兵士に恐怖しながら静かに頷く。


(痛い…私が何をしたっていうの…誰か、助けて…)


 どれだけそう願っても助けは来ない。そんな少女の儚い願いを嘲笑うかのように、本当の地獄が始まった。


 そして地下牢に入れられて約1年、犯罪者以下の扱いを受け続けた少女の心は壊れた。

 毎日の食事は汚れた水と腐った冷たい余り物のみ。見回りの兵士は彼女を見るたびに罵声を浴びせ、暴力を振るう。真冬の極寒の時には、冷たい水をかけられたり、唯一暖を取れる布団を奪われたりした。兵士の面白半分で、ネズミや虫を食わされた事もあった。

 そんな中で少女に最も応えたのは、母親に関係する事だった。たまにあの女や、母親の関係者だと言う人間がやってきて母親の悪口を言い聞かせてくる。単なる人格否定だけでは無く、その出自や夢についても徹底的に馬鹿にされた。少女が否定しようと声を上げても、その場で殴られた。それでも母親の為に怒り続けた少女は、とうとう兵士たちに取り押さえられて口を塞がれてしまった。少女は身動きが取れず声も出せない状態で大好きな母親の悪口を聞かされ続ける。少女はそれを黙って聞くしかなく、悲しさと悔しさからボロボロと涙を流した。それを見て面白がったその女は、飽きるまでこの拷問を毎日のように続けた。とある日は母親の大切にしていた衣服や髪飾りを目の前でズタズタに引き裂かれ、踏みつけられた後、燃やされた。それを見て必死に悶えながら泣き続ける少女をその女と周りの兵士たちは嘲り笑った。別の日では、少女に母親の事が嫌いだと言わせようとした。少女は当然それを拒んだが、それを言うまで指を順番に一本ずつ折られた。強烈な痛みに初めは耐えていた少女だが、4本目に手をかけられたタイミングで心が折れ、母親の事が嫌いだと口に出してしまった。それを聞いた女は腹を抱えて大笑いし、部下に撮らせていたその音声を少女に毎日のように聞かせに来ていた。


 そんな地獄の中、少女に与えられたのはたった一本の小さなナイフだけ。それは、少女が苦しみから解放されるために自害できるようにと、優しい兵士から与えられたモノだった。女も勿論それに気付いていたが、臆病な少女に自殺など出来るはずが無いと嘲笑してそのまま放置していた。

 地獄のような嫌がらせが終わった後、少女は毎日のようにナイフを手に取った。それは今の地獄から解放される事と、自殺など出来るはずがないと言い切ったあの女に少しでも復讐するためだった。

 ゆっくりと深呼吸してから首にそれを当てようと手に力を込めるが、刃が首に食い込む前に手が震えてナイフが床に落ちてしまう。そして何度も何度もナイフを首元に当てるが、結局一滴も血が流れる事は無かった。

 ナイフを手に取るたびに母親の顔を思い出して涙し、自殺を躊躇する。


「…うぅ…お母さん…私には無理だよ…ごめんね…ごめん……」


 母親が叶えられなかった夢、いつか世界を旅する事を心の片隅で夢に見ながら、少女はこの地獄が終わる日を待ち続けた。



ーー更に数年後のとある日ーー


 その日は何やら外がうるさかった。さらに、いつも見回りで来る兵士たちの巡回も無く、食事も水も無かった。それにより、いつも以上に衰弱していた少女は意識が朦朧としていた。


「…はぁ……はぁ……」


「おい、大丈夫か嬢ちゃん。生きてるか?」


「……?」


 その日、見知らぬ軍服を着た男が少女の牢屋にやってきた。その軍服は少女の国の兵士のモノでは無く、敵国のモノだった。しかし一日近く何も口にしていなかった少女は声を出す事ができず、寝た状態のまま僅かに痙攣する事しかできなかった。


「こりゃあひでぇな。とりあえず水でも飲むか?」


 そう言ってその男は倒れた少女を無理やり起こして水を渡す。久しぶりにちゃんとした飲み物を見た少女はそれを一気に飲み干した。身体も精神も少し回復した少女は、目の前の男に話しかける。


「うっ!!はぁはぁ…あ、ありがとうございます…貴方は誰ですか?」


 ようやくこの地獄から解放されると、壊れかけた少女の心には小さな希望が宿った。


「俺は帝国の軍人だ。」


 帝国の軍人と聞いて少女は喜びの表情を見せる。


「帝国!!何で西側の帝国軍人さんがこんな所まで!?…いいえ、そんな事どうでもいい。それより助けてくれて本当にありがとうございます!!これでこの地獄から解放される!!」


 そう言って喜ぶ少女を見て、その軍人は少し呆れたような顔でため息をつく。


「はぁ…一応言っとくぞ。勘違いしないで欲しいんだが俺はお前を助ける気はねぇぞ。そもそもお前、囚人だろ?こんな酷い扱い受けてるって事はよっぽど凶悪な犯罪者だな。一体、何人殺した?」


 軍人の表情が真剣になり、腰に下げた剣を突きつけながら強い口調で質問する。


「私は誰も殺してない!!ここに入れられたのは冤罪なんです!!」


 少女はそれに強く否定する。だが、その軍人は疑いの目を向けたままだ。


「じゃあそのナイフは何だ?それにそこら中に血痕があるな?お前がやったんだろ?この殺人鬼が。」


 軍人は切先を部屋の片隅に落ちたナイフに向けた。


「このナイフは…私が優しい看守から貰ったモノで、この血痕は私のモノです!!私は殺人鬼なんかじゃありません!!信じてください!!」


 少女は衰弱した身体を必死に動かして弁明しようとする。


「どうかな、俺は色んなヤツの目を見てきたから目を見ればソイツの感情は大体分かる…恨み3…焦り7…ってとこか。図星を突かれて焦ってる事が見え見えだぜ。それに、嫌がらせをしたヤツを恨んでんのか?だが、残念だったな。この城の人間は全て捕虜にした。もう殺させねえよ。」


「っ!?」


 自身の感情を読まれた少女は激しく動揺する。


「まぁ、お前が冤罪だろうが殺人鬼だろうが俺には関係ない。どっちにしろ、地下牢にいる囚人たちは帝国の刑務所に移送する事になってる。大人しくついてきてもらうぞ。」


「ちょっと待って!!私は本当に!!」


「はいはい、続きは刑務所で聞いてやるよ。まぁ、お前が無罪だとしても証拠は何もねえから、一生刑務所の中だろうがな。でも、ここよりはマシな暮らしが出来るだろうから安心しろよ。…よっと。」


 少女の言葉を無視して、少女の手を縛り付ける。それも、凶悪犯である事を危惧してかなりキツく縛られた。


「私は…私…は……」


 少女はもはや何を言っても無駄だと悟り否定することを諦めた。それと同時に心の中に芽生えた希望が絶望に変わり、頭が真っ白になった。そして、全身の力が抜けてその場にへたり込む。


「チッ!歩けねぇのか?仕方ねえな。ここを出るまでだぞ。」


 それを見た男は、少女の顔を軽く叩いたりして立たせようとするが、何の反応もしなくなった少女を見て、諦めたかのように肩に乗せて運び始めた。


(せっかく助かったと思ったのに…あれだけの地獄に耐えた先に待ち受けるのは、敵国での囚人として朽ち果てる一生。私の人生って何だったんだろう……お母さん…ごめんね…私、もうダメみたい。お母さんの願い…叶えられそうにない…ごめん…ごめん。)


 心が壊れてしまった少女は、何もかもを諦め、考える事をやめた。




「おい、ここからは自分で歩け。」


「……」


 城の外に出た軍人の男は少女を下ろして歩かせようとする。しかし、少女は何の反応も見せずに下を向いたまま立ち止まる。


「聞いてんのか?ああん?」


「…殺して…もうこれ以上苦しみたく無い…」


 少女は消え入りそうな声で最期の頼みをするが、男は拒絶する。


「知るか!!さっさと来い!!」


 男が大声で少女に怒鳴りつけると、少し遠くから1人の男が歩いてくる。その男は周りの男たちよりも豪華な服装で、周りの屈強な男たちが道を開けている。しかし、少女はそんな事には何の興味も無く、ただ茫然と立ち尽くす。


「で、殿下!?」


「すまないが、どいてくれるか?この女の顔を見させてくれ。」


「……」


 少女は下を向いたまま、その言葉を無視する。


「おい、女。こっちを見ろ。」


 その男は少女の顔を上げさせ、無理矢理に目を合わせる。


「…貴方は…っ!?」


「お前は…っ!?」


 その男と目があった瞬間、壊れた少女の思考は掻き乱される。全てに絶望し、何もかもを諦め、死を望んだ少女の瞳に色が戻る。その衝撃は少女の辛い過去や絶望の未来を全て忘れさせる程で、少女は目の前の男の事しか考えられなくなった。


「俺と結婚してくれ。」


「……えっ、……」


 男の突然のプロポーズに混乱した少女は、再び頭が真っ白になる。


(この人何!?いきなり結婚だなんて!!何言ってるの!!確かに凄くカッコいい人だけど、私たちまだ初対面なのよ!!でも、この気持ちは何!?この人から目が離せない!!私もこの人の事を好きだと心の底から認めてしまっている!!でも、言わなくちゃ!!面と向かって断らなきゃ…あっ…安心したら意識が……)


「………あっ…あの!…………」


 そして、少女は何か言う前に身体が限界を迎え、その場で気を失ってしまった。







ーー数日後ーー


「…ここは…」


 少女が次に目を覚ましたのは、とある豪華な一室のベッドだった。以前の母親の部屋よりも遥かに豪華なその部屋に置かれた巨大なベッドに寝かされた少女は、全身を綺麗にされ、傷も治療されていた。


「目覚めましたか、おはようございます。気分はいかがでしょうか?」


 反応したのは、ベッドの前に腰掛けていた老人だった。


「…あの…ここは一体…」


「ここはソメイ帝国の帝国城の一室です。第一皇子である我が主の御命令により貴女を丁重にもてなすようにと言われております。何かあれば私めに言ってください。」


「帝国…皇子様…なんで女王国の人間である私なんかを…」


「女王国は既に滅びました。なので今の貴女は捕虜という立場でございます。」


「捕虜…さっきのは夢だったんでしょうか……でも、とても良い夢でした。夢の中だとしても、死ぬ前に恋と言うものを経験できたのですから…天国のお母さんへの土産話になります。」


「何を言っておられるのか知りませんが、死ぬ事は許しませんよ。私としては貴女の事などどうでも良いですが、我が主が貴女に婚約を申し込んだ事は夢などではございません。紛れもない現実です。…私としては殿下の気の迷いだと信じたいのですが…」


「っ!!あれはやっぱり現実だったんですね!!良かった!!お母さんにも、夢じゃ無くて本当にプロポーズされたって言えます!!あんなに素敵な人にプロポーズされるなんて、頑張って生きた甲斐がありました!!」


 そう言って無邪気に喜ぶ少女を見て老人はため息をつく。


「はぁ…その様子では、貴女が殿下を洗脳したアバズレである可能性は無さそうですね。ですが、今すぐどうこうする気はありませんが、立場は弁えて下さいね。我が主が戻って来るまで、大人しくここで待っていてもらいます。いいですね?」


「はい…すみません…分かりました。」


 その老人の態度は、見た目は丁寧ではあったが、少女を面白く思っていないという内心が態度に現れていた。今、少女は()とやらに生かされており、その主の鶴の一声でいつでも首が飛ぶ。下手なことをすればいつ殺されてもおかしくないという状況を理解させられてしまった。ここは東側であり、西側出身の少女は紛れもない異端者なのだ。ましてや、相手はあの女と同じ王族であり、どんな性癖や恨みを持って何をされるか分かったモノでは無い。少女は何とかこの局面を切り抜けようと、気を張った。


 少し経つと、部屋に豪華な食事が運ばれてくる。その老人がそれを受け取り、少女の前に持ってくる。


「お腹が空いていらっしゃるのでしょう?どうぞ、召し上がってください。いらなければ残していただいても構いません。」


「…ありがとうございます。」


 2日前から何も食べていなかった少女は、少し葛藤したが背に腹は変えられず食事に手を付ける。2.3年ぶりのまともな食事で、あまりの美味しさに礼儀作法も忘れて直ぐに食べ切ってしまった。


「いくら空腹とて、はしたないですよ。そんな事では我が主の側に立つ人間として相応しくありません。」


 老人はイヤミの様に少女に告げる。


「…すみません…つい…」


「いえ、主や皆の前では気をつけるように。」


「ジーガス様、殿下がもう直ぐお戻りになると連絡が。」


 後ろから老人の部下と思われる人物が小声で話しかける。


「ご苦労。ではこの食事を片付けておいてください。」


 そう言って老人はとっとと部屋を出て行ってしまった。部下と思われる人物も何も言わずに食器を片付けて退出してしまった。


(やっぱり誰にも歓迎されていないのね…私は敵国の女なのだからそれはそうよね。…それにしても、一気に食べたから眠気が…)


 少し安心した事で少女は再び眠ってしまった。








「…………おい、起きろ。」


 顔を誰かに触られる感覚と、声で少女は目を覚ます。目を開いて最初に見たモノは、あの時に見た男の顔だった。


「…貴方は…」

軽く設定を書くと、少女の母親は王弟の妻で東側の出身です。一応王家に連なる者でしたが、異端者と言うことで周りから疎まれ、現女王(義理の姉)から特に嫌われていました。王弟は既に死亡しており、後ろ盾はありませんでしたが、彼女は特殊な能力を持っており、非常に強かったため、生きている間は誰も手が出せませんでした。それを面白く思っていなかった女王は、彼女が死んだ後に娘に嫌がらせをしたというワケです。

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