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褒美

「ユーファスよ、今回の働き大変に見事であった。まさか、こんな短期間であの憎き女王国を落としてくるとは。」


「はっ。しかし、この戦果は私に精鋭を与えて下さった陛下と、兵士達の奮戦のおかげです。」


「謙遜する必要はない。兵士達からも、お前の指揮は素晴らしかったと聞いている。与えられた戦況が有利過ぎて、楽に戦えたと皆が言っていた。全てはお前の采配のおかげだ。はっはっは!!」


 玉座に座りながら話す皇帝は、明らかに機嫌が良かった。


「ここまでの働き、余の息子としてでは無く一軍人として褒美を与えよう。何が欲しい?言ってみろ。」


「では陛下。捕虜を1人私にいただけないでしょうか?」


「ん?捕虜だと?女王国で捕らえた者か?」


「はい。それと、その者と私との婚約の許可をいただきたいのです。」


「なにぃ!?婚約だと!?それは一体どう言う事だ?」


 突拍子もないユーファスの提案に流石の皇帝も驚きを隠せない。


「父上、俺は長年探し続けていた欲しいモノを見つけたんです。目が合った瞬間、確信しました。あの女こそ俺の欲しかったモノだと。」


 それを聞いた皇帝は困惑の表情を浮かべて腕を組む。


「うーむ…王族が捕虜と婚約か…身分があまりにも違い過ぎる。余としては反対なのだが…ましてや敵国の女だぞ?大丈夫なのか?」


「ええ、大丈夫です。それに、反対しても無駄ですよ父上。いざとなれば、この国を出て行くまでです。」


 妨害するのであれば容赦しないと、ユーファスは表情で示す。その固い決意を見た皇帝はため息を吐く。


「ぐぬぬ……はぁ…可愛い息子の人生で初めての本気の頼みだ。余がなんとかしよう。大臣たちの説得は余がしておいてやろう。その代わりの条件と言ってはなんだが、お前は成人したら相応の役職に就いて、余と次期皇帝である弟を支えよ。良いな?」


「はっ!陛下の深い恩情に感謝いたします。私はこの国と陛下の為に全力を尽くす事をお約束します。」


 そう言ってユーファスは深く頭を下げる。


(ふっ、よく言う。皇帝である余を脅迫しよって。しかし、我が息子ながら本当に恐ろしい男よ。ユーフが帝国にもたらした恩恵は計り知れない。つまりそれは逆も然り。この男を本気で敵に回せば間違いなくこの国が滅びると確信できる。それにしても本当に惜しい。これで『真なる王』の血脈を受け継いでいれば、余の後を継いで帝国は西側最大の…いや、大陸の征服さえ可能だっただろう。本人にその欲望が無いのが残念だが。)


「うむ、下がって良いぞ。」


「では、失礼します陛下。」


 ユーファスは玉座の間を後にした。そして、そのまま自分の部屋に向かう。その足取りはいつもよりも速かった。


「お待ちしておりました殿下。」


「ああ、彼女は?」


「はい。非常に衰弱している様子でしたので、殿下の指示通り食事を摂らせたところです。部屋の中におります。」


 部屋の扉の前で待っていたジーガスの説明を聞きながら扉を開けて中に入る。そこにはユーファス直属のメイドが複数人と医者も待機していた。彼らはユーファスに気付くと頭を下げるが、ユーファスは彼らを無視して奥のベッドへ一直線に向かう。そして、カーテンを開けて中にいる人間の姿を確認する。

 その女は真っ白な布を着て布団で寝ており、顔の血色も明らかに前よりも良くなっている。全身の至る所に包帯が巻かれ、傷を治療した痕があった。

 ユーファスは全身を少し眺めた後、女の顔を軽く触りながら話しかける。


「おい、起きろ。」


「…貴方は…」


 目覚めた女の目は白と黒のオッドアイだった。

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