表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/43

二十五殺目 パーティー結成


やっっっったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!



黒髪魔女から、パーティーに誘われたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!






だけどさ、



──何この人…地上で見たらさらに可愛いんだけど? さっきからまともに喋れてない……



「よろしくね!」



「よ、よろしくお願いします……」



チクショッ!! 緊張しすぎてしまう!! 生黒髪魔女とまともに話せるわけないだろ!!




「ハーライドって"流拳技様"と同じ苗字なんだね〜」



「そ、そうなんですよ。」



──というか、ついつい『餓猟がろうの料理人』って嘘ついちゃった。まぁそっちの方が活動しやすいからいっか




「セレネさんも"聖光の魔女さん"と同じ苗字なんですね〜」



俺の何気ない返しで、セレネさんの表情が暗くなった。




「ルーシェ・ナイトウィルは、私の姉よ」



「え?!」



──あいつに妹なんて居たの? 聞いたことないんだけど?




「アビトも聞いたことくらいはあるでしょ? "ナイトウィル家の落ちこぼれ"って」




──へー、初耳〜




「それが私なの」



セレネさんが俯き、目が少しウルッとなっている。



「だ、だから、少しでも強くなるために学園から休学届を出して、色々なところを旅しているの」



──可愛いなこの人。泣きそうになってる顔も可愛いは素晴らしいな



「私はまだDランクだから、休学できる期間が短くてね。だから、残りの一ヶ月間だけアビトに、私と一緒に旅をしてほしいの」




──なるほど〜。ルーシェさんに追いつくために、わざわざ休学して、旅に出たんだ〜




「全然良いですよ!! 僕なんかで良ければ!!」



「ホント!? 良かったぁ〜。一人だと色々大変で困ってたの。中々良いパーティーメンバーを見つけれなくてね。それにアビトは結構やりそうだし、美味しい料理も食べたかったから!」





「はい!! 任せてください!!」


と、元気良く返事した時、あることに気づいた。






「ん? 一人?」



「そうよ。パーティーを組むのはこれが初めて」



「Dランク?」



「うん」



「Dランクの冒険者が一人で、C級ダンジョンに?」









セレネさんが少し顔を赤くしながら、黙って頷く。









「え? バカなんですか?」





「バカで悪かったわね!!」




つい本音が出てしまった。


──C級ダンジョンって、パーティーの平均ランクがC以上じゃないと攻略が厳しいのに……


それを? D級が? 一人で? すんごいじゃん……




「少しでも早く姉に近づきたかったからよ! それにアビトだって成人したてなのに、一人で居たじゃない!!」




セレネさんが、顔を赤らめ、息を荒らげながら叫ぶ。



「と、とにかく、私は歳と実力が近い人とパーティーを組みたかったの! 」




──歳は近そうだけど、俺Bランクなんだよな〜。このまま嘘を突き通したくないなぁ。


というか、セレネさんが、ルーシェさんの妹なら、俺が流拳技の息子だって言っていいのでは?





本当の事を言おうか、言わまいか考えていると、セレネさんの少しキリッとした黒い瞳が俺を見つめる。





「パーティーは組みたかったんだけど、冒険者はみんな姉か、ナイトウィル家目当てで近づいて来たりしていたから嫌だったの」




ニコッっと微笑み、



「でも料理人なら、姉さんとか、家の事は関係ないでしょ? だから安心してパーティーを組める! アビトが冒険者じゃなくて良かった!!」











「はい!!」


──よし、この一ヶ月は餓猟の料理人として過ごそう!!









とりあえず俺たちは、プロワセに行って旅の準備をすることにした。





のだが……




「あれ?! 私の馬がいない!!」



『囁く霊廟』の入口に停めていたらしい、セレネさんの馬が居なくなった。



「そんな〜。ごめんアビト、私も一緒に馬に乗せてくれない?」








「俺、馬に乗れないんで徒歩です!!」





キラッと歯を輝かせ、笑顔で答える。









-----------------徒歩で移動することにした。


「へぇ〜。セレネさんって闇属性魔法シャドウ・マジック使いなんですね」



「うん。姉さんと逆の魔法で、勝ちたいと思ったから」




俺はセレネさんと雑談しながら、プロワセまで歩いていた。

相変わらず、ドギマギしてしまうが少し慣れた。



「闇属性魔法って扱いが難しいんですよね?」



「そうよ。攻撃力が高い代わりに、常に精神を一定に保たなきゃならないし」



「ほぇー」




──クソ。まともに目が見れないぞ……

一回しっかりと顔見てみるか、





チラッ





「ん? どうしたの?」




───あっかん……可愛すぎるやろ…この人どタイプすぎる。あきまへん、これあきまへんがな




「なに? さっきからチラチラこっち見て」




「い、いや〜。あんまりお姉さんと似てないなって…」




「私は母親似なの。姉さんは父親似だからね」




「ふえぇ〜」




勇気を振り絞り、セレネさんの顔を見つめる。


──ほーん……確かに髪色とか全然違うけど、目元とか顔立ちは似てるかな?




「そ、そんな見ないでよ!!」




セレネさんが顔を赤らめ、ぷんすかしてくる。



「私、姉さんみたいに綺麗じゃないから……」





──は? 何言ってんだこの人?




「セレネさんの方が圧倒的に可愛いでしょ」




──あいつより全然可愛いでしょ。なんだ? 謙虚さアピール的なやつか? 他の女の子に嫌われちゃうぞ?




「お世辞なんて要らないわよ。誰がどう見たって姉さんの方が綺麗だし。そう言って近づいて来た人たちは、結局みんな姉さんや家が目当てだったから」




おっと、これは?



「いやいや、本当に」




「はいはい。分かったから。ありがとうね」




──この人ガチ? ガチでそう思ってる人?




「僕が出会った女性の中で、ダントツですよ?」




「もう!! うるさい!!」






────バコッ



あっ、杖で頭をぶん殴るところは一緒なのか……








「というか…姉さんと会ったことがあるの?」




やべッ



「街でチラッっと見ただけですよ」




「なんか怪しいわね……」




「そ、そんなこと、あ!! あれ見てください!!」



その方向には、コス・ウルフの群れが荷物を担いでいる馬を食べていた。





「あの馬……私の馬だ」



セレネさんから強烈な殺気が放たれる。




──おっふ。ブチギレじゃん




杖を構え、魔法を唱え始め、



「『シャドウ・バレット』」



杖の前に黒い弾丸が生成される。




「まだ……」




また一つ、一つと、どんどん増えていき、最終的には約二十発程の弾丸が生成された。





「へーすご」




息を深く吸い、放つ。




「『シャドウ・バレット!!』」





─────ビュン、ビュン、ビュン、ビュン






黒き弾丸がコス・ウルフたちを撃ち抜いていく。




「なるほど〜。強めのDってところかな」





──でも〜、たくさん作ったせいで、一発一発の威力が足りてないなぁ。

それに、制御が上手くできてない。闇属性魔法は制御ムズいらしいからなぁ。

全部じゃなくて、半分だけとかだったら倒せたのに。




案の定、撃たれたコス・ウルフたちが再び立ち上がった。



「う、嘘!? 死んでない?!」



そして、魔法を放ったセレネ目掛け、襲いかかる。




「『の、ノワール・ミス……』」



辺りを闇で包もうとした時、アビトがセレネの前に立ち、ナイフを構える。



「ア、アビト?! なんで?」




ナイフを握りしめ、コス・ウルフへ立ち向かう。



「なんでって…僕たちパーティーでしょ?」



──コス・ウルフのお肉はあんまり気づけたくないから、喉元か




─────グサッ



「す、すごい。正確に喉を突き刺してる…」



「セレネさん! さすがに多いので、手伝ってほしいです!!」




「で、でも!! 上手く制御出来ないから、アビトに当たっちゃう!!」



セレネが、不安気で、申し訳ない表情をしながら、杖をギュッと握りしめる。




──あ〜、やっぱり制御に自信ないのか。でも俺、魔法に籠った殺意で、位置分かるから避けれるしなぁ



「セレネさん!! 俺避けれるんで、撃って良いですよ!」



「え!? なんで!?」





ニカッと笑い、



「信じてください!! 仲間でしょ!!」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ