0殺目 出会い
「ハァ、ハァ、ハァ.....。やっぱりC級ダンジョンはモンスターのレベルが高すぎる.....」
息を切らしながら、壁に背を預けた。
杖を握る手が震えている。もう魔力も体力も、ほとんど残っていない。
まだDランクの私じゃ…このダンジョンに通用しないッ。でも、まだこんな所で立ち止まってたら、あの人に追いつけない!!
「 せめて.....もう一体だけ倒そう。それで帰ろう」
自分にそう言い聞かせ、杖を握り直す。
数十秒ほど歩き、角を曲がろうとしたそのときだった。
―――ムシャムシャ、ムシャムシャ、グヘッヘッヘ
何かを食べ、笑う音が聞こえた。
嫌な予感がする。もしかして、モンスターが冒険者を食べているんじゃ......?
ダンジョンでは倒された冒険者がそのまま捕食されることも多い。
でも、食事に夢中なら、今が奇襲のチャンスだ!!
私は闇属性魔法で、初級魔法『シャドウ・バレット』を展開し、 角から飛び出した。
「え?」
.....信じられない光景を見てしまった
エプロン姿でフライパンを持ち、パンケーキを焼いている、ふくよかな少年がいた。
「え.....?」
理解が追いつかない。
普通、ダンジョンで食事といえば干し肉や水程度。
それなのに、この少年はニヤニヤと笑いながら、焼きたてのパンケーキをひっくり返している。
皿に乗せて、ナイフとフォークで食べ、「グへへへへ」と笑っている。
なにあれ? 気持ち悪い.....というか、怖い
しかも、どう見ても私より年下でしょ!?
どこにでも居そうな少年が、危険なC級ダンジョンの真ん中でパンケーキを作っている。
頭が混乱し、口が勝手に動いていた。
「な、なにしてるの.....?」
すると少年は、驚いたようにこちらを向き、
「うぇ?!」
初めまして、マクヒキと申します!!
これから僕が妄想してきた世界を皆さんに届けていきたいと思っています。まだ文章作りも下手くそですが、楽しんでもらえると嬉しいです!!