九分の二
「本気で言うてるんですか? そんなこと」
「信じられないのも無理ありません。でも、私の中では確かなことなんです」
「確かなこと?」
「ええ、そういうイメージです!」
「イメージ?」
最早、どんな言葉にも引っ掛かりを見せる。
「繋がりと言うか、回帰する……そう、肉体に回帰するイメージ! ところで、」
ここに来て、急転!
「本当に何もないんですか?」
会話が振り出しに戻った。
違いを上げるとすれば、今度の問いには答えが求められているという点……。
「無いですよ」
穂華は努めて冷静に返した。漸く、生返事を解消できた一方で、その実、内心が穏やかで無い。
当たらずと雖も遠からず……。
同じデザインが身体に刻まれていることを思えば、和哉の言うイメージ、は的を得ている。
ただし、それがリーディングによって導かれた可能性も否定できない。
往々にして、例の集団は人の不幸に付け込んでくる。
口に出すことも憚られるようなことが、実際には起こってもいないのに起こったかのような口ぶりで話す。
一旦、相手に否定させて安心を与える。油断させる為に……。
自分がそこまで不幸じゃないと思うと、人は口が軽くなるのだ。
普段なら絶対しない秘密を暴露してまでも、『ね、大したことないでしょ』と、同意〈もしくは同情〉を得たくなる。
そこで得た情報を利用してくる! リーディングの完了だ。




