五分の二
「この子は、鶴太郎のクラスメイトで、有澤茜音と言います」
「はい?」
「まぁ、そうなりますよね……」
和哉に促され、瑞稀はソファーの来賓席〈一角〉に腰を据える。
「どう言うこと?」
未だに鶴太郎を小学生だと思い込んでいる瑞稀は、和哉の言う『クラスメイト』の意味を勘繰る。
「どう言うも何も、他意はありません。十五歳、鶴太郎は高校一年です」
「嘘!」
瑞稀は表情を隠しきれない。
外見と内面が一致しない恐怖は、誰しもが持つ整理現象のひとつだ。
「嗚呼、そういう話……ホンマですよ。鶴とは幼稚園からずっと一緒ですし」
第三者の証言で事実認定を済ませた!
ここに至るまでの労力が、いつも大変なのだ。
「病気という訳じゃないんですが、ハッキリした原因も掴めてなくて……」
「小学校入った頃は別に普通やったんですよ……あ、でも潔癖症は幼稚園の時からやったなぁ……」
(グッジョブ、茜音!)
「知らん人の肌が触れたりすると、ずっと拭き拭きして……最初はウチのことかてバイ菌扱いやったし」
「じゃあ、さっきのは……それで?」
「すいません、咄嗟のことで声を荒げてしまいました」
「別に気にしなくていいわ、正しい判断だと思うから……じゃあ、手袋は?」
「手掌多汗症じゃありません」
ここまでは順調! 否、期待値以上の展開だった。
ここまでは……。




