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六分の五

「では、そちらは甥の鞄から、このCDが出てきたことを()って、窃盗を主張されるのですね?」


「先程から、そう申し上げてるじゃないですか」


「なるほど、では、これは私のCDです」


「は?」


 流石に意表を突かれた。この展開は予想にない。


 言い訳の範疇(はんちゅう)を越えた『(あき)れた嘘』にしか聞こえない。


「ですから、これは私の私物だと言ってるんです!」


 まさかの連打に守田の感情が一気に(たかぶ)る。


「何バカなことを! そんな話、誰が信じるんですか!」


 巫山戯(ふざけ)るな、と言わんばかりに立ち上がって抗議した。


「信じられないのも無理ないでしょうが、事実です。昨日、自宅近くのCDショップで購入しました」


「そんな偶然、ある訳ないでしょう!」


「何故です? 通報前に警察の方が同席される偶然はあるのに?」


 突然、質問の矛先が洸平に向いた。


 守田は忿懣(ふんまん)やるかたない表情でドカッと腰を下ろす。


鹿目(かなめ)さん、流石にその話は無理でしょう? 説得力がありません」


 洸平は率直な感想を述べる。しかし……、


「それは、自宅にあるレシートをお見せしても無理ですか?」


 突拍子もない話が急に真実味を帯びてくる。

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