↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

94/141

第93話 私は、看病する。

しばらく見守っていると、お父様から通信が入る。



「大変だ、桔梗。彼が転倒して、駆け付けたら意識が朦朧ぎみだ。

コースの人に言って走行を中止してもらって、こっちに来てほしい」



私はお父様からの連絡を受けてすぐ、事務所に言って、事情を説明する。

そのあと、コースに入って、健一郎くんを探す。

幸い、入り口近くで倒れているのを見つける。



「すぐに車まで運んで。ぼくはバイクをどかす」

「わかったわ」



私は、健一郎くんをおんぶして、車へと連れて行く。



「健一郎くんって、意外と軽いのね」



そんな感想を抱きつつ、私はなんとか健一郎くんを車まで連れて行く。



「なんとか、寝かせることができたわ」



四苦八苦しながら、なんとか健一郎くんを後部座席に寝かせる。

車のエンジンをかけてエアコンを全開にして、健一郎くんの脈を図ったり、呼吸や意識を確認する。



「呼吸は正常、脈もあるわね。瞳孔が少し開いてる。

たぶん、脳震盪起こしてるかしら?少しこのまま様子を見ましょう」



私が健一郎の体を観察していたら、お父様が戻ってくる。



「バイク回収するの大変だったよ。

健一郎の様子はどうだい」

「たぶん脳震盪起こしてる。病院行かなくてもよさそう」

「そっかよかったぁ」



お父様が、安堵した様子を見せる。

私は、そんなお父様に詰問する。



「お父様?まさか」

「健一郎くんをわざと転倒させたりしてないし、走ってたのは上級者向けのところじゃない」

「本当でしょうね?」



私がニコニコ笑顔で圧をかけるように尋ねると、お父様が焦りながらも、私の質問に答える。



「本当だ、信じてくれ」

「……ひとまずは、信じるわ」

「そうか、よかった」



お父様の言い訳するような顔を見た後、健一郎くんの様子を見る。



「にしても、てきぱき動くようになったな」

「お父様のけがの処置を散々させられましたもの」



お父様の軽口に、恨み節で返す。



「で、でも、こうして役に立ってるんだから」

「そもそもこうならないようにすべきでしょ?

あと、健一郎くんに変化があったら、お父様を一生恨むわ」



私の正論と警告に、お父様がお黙りになる。




「ん」



それから少しして、健一郎くんが目を覚ます。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。