第17話 あたしは、クズ男に暴言を吐かれる。
あたしはその日、学校一のクズとして有名な先輩に、体育館の裏に呼び出されていた。
「なぁお前、俺の女になれよ」
「嫌」
あたしは、クズ先輩の要求を拒否する。
「俺の彼女になってくれ」
「は?普通に嫌だし」
あたしは何度も、クズ先輩の要求を拒否する。
するとクズ先輩は、次第にイライラし始める。
「いいから俺の女に」
「何度言えばわかるの?嫌。キモイ」
あたしがそうクズ先輩の言葉を斬り捨てた瞬間、クズ先輩が鬼の形相になる。
「調子乗るなよ」
クズ先輩が、あたしに毒づく。
ああ、本当に話に聞いてた通りだ、あたしはそう思った。
「あんたこそ調子乗らないでよ」
あたしは先輩の言葉に言い返す。
すると、更にクズ先輩はあたしに対して更に毒づく。
それを繰り返して、しまいには口論となった。
「そうかよ。そこまでして俺の言うことに従わないなら、力づくでも俺に服従させてやるまでだ」
クズ男は、あたしの腹に一発入れる動きをする。
あたしはその動きに対して、反応が遅れる。
このままだとやられる、そう思ったとき、知らない声が聞こえる。
「そこまでだ」
その声が聞こえた瞬間、誰かがあたしとクズ先輩の間に割って入ってる。
割って入ってきたヤツの顔を見ると、見たことがない男子が、そこにいた。
え、誰?そう思った瞬間、男子がクズ先輩を煽った。
男子がクズ先輩を煽った瞬間、いきなりそいつに殴りかかった。
え、一体なんなの?なにが起こってるの?
あたしはあまりの急展開に頭が追い付かず思考停止する。
思考停止している間に割って入ってきたぼっちとクズ先輩の間で喧嘩が始まった。
あまりの急展開に呆然としていると、突然現れた男子からの声が聞こえる。
「逃げろ!」
え?
一瞬わからなかったけど、目の前の様子を見てやっと理解した。
どうやらあの男子が、あたしのことをクズ先輩から逃がすために、止めに入ってわざと挑発に乗ったみたいだ。
あたしはそれを理解して、すぐにその場から逃げ出した。
あたしがクズ先輩とぼっちが喧嘩してるところから逃げている途中、生徒指導の先生に捕まる。
「おい、栗栖。アイツと伊良湖が喧嘩してる場所を知らないか?」
そう聞かれて、伊良湖というのがあの男子の名前であると考え、あたしは先生に場所を教える。
「そうか、わかった。ちなみに栗栖は何でそんなことになったか、知ってるか?」
先生に事の顛末について聞かれ、あたしはそれをざっくりに話す。
「なるほど、そんなことが。わかった、あーとりあえず栗栖は、このまま帰れ。事情は明日ゆっくり聞くから」
「わかりました」
あたしは生徒指導の先生にそう言われたため、そのまま家に帰る。
彼の名前もわかったことだし。




