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第13話 姉は、意外な場所に俺を連れて行く。

「到着~」



どうやら目的地に到着したらしい。

案内標識を見てたから、場所の検討はつくが。



「目的地はここから少し歩くんだ。だから、ね」



姉はそう言いながら、再び俺に左手を差し出してくる。

俺が右手を差し出すと、嬉しそうに手を握って、恋人つなぎにしてくる。

そんなに俺と手をつなぎたいのか?

というか、俺と手をつなげるのが、そんなにうれしいのか?

いや、そんなわけないだろう。

自己完結しつつ姉に連れられて歩くと、見たことある建物が見えてくる。



「ここ、見たことあるような」

「縁結びで有名な神社だよ。健くんも知ってるでしょ?」



姉の一言で目の前の建物が何かわかる。

縁結びで全国的に有名な神社だ。



「あぁ」

「わかったみたいだね。それじゃ、行こうか」



姉に連れられ、本殿へと向かう。

参拝のしかたを本殿に上がる前に調べたうえで、本殿の前に立つ。



「健くんは何をお願いした?」



参拝したあと、姉がそう聞いてくるの

俺が秘密、と答えると姉がむくれながら言う。



「むぅ、教えてくれてもいいじゃない」

「人に言うと願いが叶わないらしいからな」



俺が説明すると、姉は不服そうな顔をしつつ納得した。



「せっかくだし、おみくじ引こうよ」



そう言って姉が再び俺の手をとって歩き出す。

恋人つなぎで。



「じゃあ、お互いに同時に開こう」



姉の言葉に従い、同時に買ったおみくじを開ける。

すると、俺の結果は大凶、姉の結果は大吉だった。



「あちゃー。でも、健くんなら、どんな災厄もなんとかできるから、気にしなくていいかもね?」

「なんでもはできないよ。できることだけしか、俺にはできない」



俺は姉のなぐさめに、そう答える。

姉は俺の言葉を聞いて、突然俺に抱き着く。



「ちょ、姉さん。ここ外」

「関係ない。健くんなら、例えどんなことあっても乗り越えられる。

今までだって、色々な困難に立ち向かってなんとかしたでしょ。

もし乗り越えられない困難が立ちふさがっても、わたしが助けるから」



姉の言うことに対して、ふと疑問を持つ。

俺と姉との関わりなんて、今の家の養子となる前はほとんどない。

それなのに、なぜあたかも俺のことを知ってるかのように、姉は言うのか。

しかしここで考えても意味はない、そう思い俺は一旦考えるのをやめる。


おみくじを結んだ後に絵馬を奉納したあと、姉と一緒に帰路につく。



「ただいま~」



日がかなり傾いたころに無事に家に到着し、姉と一緒に帰宅のあいさつをする。



「おかえり、あらあら随分と進展したようね」

「そうだよ!今日は健くんとの時間を目一杯楽しんだからね!」

「そうなの。これからが楽しみね~」



恋人つなぎをしたままで。

何も、こんなときまでする必要はないだろ。

そして、娘と義理の息子が姉弟ではやらないことをしてるんですが、止めてくれないんですか、母よ。

そう思ったが、そういえば今朝、イチャイチャしてるのを止めないと堂々と言っていたことを思い出し、母に止めてもらおうという甘い希望は捨てた。



「お父さん、バイクどこに置いとけばいい?」

「おー、とりあえず玄関先に置いといてくれ。

後で持っていくから」



姉が父の部屋に行き、バイクの置き場所を訊いている間に、俺は自分の部屋へと向かう。

そしてヘルメットやグローブを元の位置に収め、父にバイクの置き場所を詰問したり等々する。

そんなことをしてる間に夜になり、いい時間になったため、俺は眠りにつく。

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