第132話 俺は何する気か聞くが、静は教えてくれない。
(side:健一郎)
「いったい、俺の誕生日に何するつもりなんだ?」
通話を終えた静に訊くと、静がまたキスしてくる。
「ヒ・ミ・ツ」
唇を離した静が、イタズラ心が垣間見える顔をする。
「えぇ」
「ヒミツは、ヒミツだよ。ね、お昼寝しよ?」
静が、俺の座っている横に座り、抱き着いて俺と一緒にベッドに倒れる。
「教えてはくれないのか」
「ダーメ。それじゃ、お昼寝の準備するから、そのままでね」
静が起き上がり、カーテンを閉めて電気を消す。
「寝よ」
ベッドの中で、静が誘ってくる。
俺は聞きだすのをあきらめて、静と一緒に昼寝する。
「起きて」
そんな声を掛けられ、目を覚ます。
「もう夕方だよ」
「ん、てことは2時間くらい寝てしまったか」
「うん、それくらい寝てた。わたしもさっき起きたから」
あぁ、結構に寝たな。
ちょっと疲れてたのかもな。
「あ、健くん、マッサージしよっか」
そんなことを思ってたら、静が手をわきわきしながら言ってくる。
「うーん。じゃあ、やってくれるか?」
「喜んで」
俺がOKすると、静がウキウキ顔で、俺の身体に触れ始める。
それから、俺は静かに押されたり揉まれたり伸ばされたりされまくる。
「ん、これで終わり」
「よかったよ、静」
「ふふ、よかった」
俺が起き上がって感想を言うと、静が後ろからハグをする。
「ね、お風呂までまた映画見よ?」
俺のことを後ろから抱きしめながら、耳元で囁いてくる。
「今からだと、中途半端になるぞ」
「いいじゃん。途中で止められるんだからさ」
「それでもいいなら、見ようか」
「うん、見よう」
俺が同意すると、静はハグをやめて、立ち上がる。
俺も同時に立ち上がり、また映画を選んで見始める。




