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第11話 俺は、姉と出かける。

15分後。




俺は出かける準備が終わり、部屋の中で姉の準備が終わるのを待っていると、部屋のドアがノックされる。



「健くん、準備できた?」



姉が準備を終えて、俺の部屋の前まで来たのだろうと思い、部屋のドアを開けてみる。

俺の予想通り、部屋の前に姉がいて、俺が出かける準備を終えたのか確かめに来た。



「準備できてる」

「よーし、なら行こっか!

あ、ヘルメット・グローブ・ジャケットを忘れちゃダメだよ」



え、今日はバイクで行くのか。

なにで行くのか聞いてなかったため、それらの装備を用意していなかった。

バイクで行くのなら、それらは絶対に必要だ。

俺は急いでそれらを用意し、玄関へと急ぐ。

そして玄関を出た瞬間、俺は固まった。

玄関先に俺が初めて見るバイクが一台、これみよがしに鎮座していたのだ。



「え!?え……?静。このバイク、いったいどこから持ってきたんだ?」

「わたしもどこから持ってきたのか、知らないんだよね。

今日バイクで健くんとデート行くからバイク貸してってお父さんに言ったら、意気揚々とどこかに行ってね。

帰ってきたと思ったら、いつの間にか玄関先にこれが用意されてたの。

わたしもこれを見たとき驚いた。どうしたのあれって聞いたら

『まぁちょっといろいろあって買った。新車で買って慣らし運転は終わってるから、全開にしても大丈夫だぞ』

って」



てことは、俺の知らないバイク保管用の倉庫が、どこかにあるってことか。

帰ったら父を問い詰めよう。



「とにかく、今日はこれで行くから。インカムが大丈夫か確認しよう」



姉の指示通りインカムの電源を入れて、声を適当に発する。

少しして、姉の声が耳のすぐそばから聞こえてくる。



「うん、インカムはお互いに大丈夫だね。じゃぁグローブ付けてジャケット着てね。

そのあと、わたしが後ろに乗るように言ったら、乗ってね」



俺はその指示に従いグローブをつけてジャケットを着る。

姉がバイクの運転席に座ったのを確認した後、座っていいよと言うので俺は後部座席に座る。

そして姉がバイクのエンジンをかける。



「じゃぁ、健くん。しっかりつかまってね」



俺はその言葉に従い、バイクのつかまれる場所につかまる。



「それじゃ、いくよ!」



姉はそんな掛け声とともに、バイクを発進させる。

こうして、姉いわくのデートが始まった。

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