第113話 俺は、静に誘惑される。
「「ごちそうさまでした」」
二人で食べさせあったり互いの料理を食べあったりして、食べ終える。
会計を済ませて、お店を出ると、静が俺を連れて、どこかへと歩いていく。
「ここ、歩いてみよ」
静が、ある通りまで来て、提案してくる。
周囲には、妖怪の像が一定間隔で立っている。
「ここ、見たことある」
「ときにはこんなとこを歩いてもいいんじゃないかなって。どうかな?」
「いいと思う。行こう」
俺が同意すると、静が俺の手を握る。
静が歩きだすのと同時に、俺も歩きだす。
「結構歩いたね」
結局、通りを往復し、いろいろ店を回った。
お土産も買った後、車まで戻った。
今は、車の中だ。
「でも、静は全然息上がってない」
「当然。健くんだって、なんともない顔してるじゃん」
「そりゃそうだ。お互い、体力は全然余裕だな」
「そうだね」
静が、意味深な言い方をする。
「だって、健くんとの初めての時に、へばりたくないもん」
俺は静の言うことの意味を感じ取り、顔が赤くなる。
「健くん、期待してる?今日、超えちゃう?
「言ったろ?18まで待ってくれって」
「健くん、わたしは今すぐにでも、健くんとしたいんだよ?ねぇ、今夜、しよ?」
静が、顔を耳元に寄せて、誘ってくる。
正直、俺のことをここまで求めてくれるのは、正直すごくうれしい。
でも、俺はああ言った手前、するわけにはいかないので、心苦しくも俺は静の誘いを断る。
「ダメ?」
「18になってから」
「むぅ」
静が、むくれる。
「なら我慢する。
でも、前にも言ったけど、18になった瞬間に健くんのこと本気で抱くからね」
静が、堂々と再度宣言する。
それにしても、そのセリフはほぼ男が言うものじゃないか?とも思う。
でも、静からそう言われるのも、悪くない。むしろ、静かになら抱かれたいって思ってしまう。
「いい時間だから、今日泊まる旅館行くよ」
「わかった」
静が、どこかへと車を走らせる。




