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バーベキューパーティー3

 さて、バーベキューも一段落ついた頃。みんなはお茶やお酒を飲みながらまったりとくつろいでいた。お腹がいっぱいで動きたくないと、みんな思っていた。

 たぬたぬは余りの焼きそばをもらって美味しそうに食べていたが、アナスタシアに見つかって取り上げられそうになっている。

 エルヴィスはたぬたぬの太さを心配して、たぬたぬを抱き上げてなだめていた。

 ついでにリアの事も諭している。リアは流石にエルヴィスにまで叱られて反省したのかたぬたぬに謝っていた。

 アナスタシアがエルヴィスを尊敬した目で見ている。アナスタシアが何度言ってもリアには響かなかったからである。

 ジャスティンはリルの横でやっぱりリアに言うことを聞かせられる人材は貴重だと頷いていた。

 リルは笑ってしまった。

 実はリルが叱るのが一番リアには効くのだが、リルは基本的にリアの行動を止めることがないから、みんな気づかないのである。

 

 

 

 さて、バーベキューが終わって、目を背けていた問題が顔を出した。大量のお肉問題だ。

 半数以上は神獣達とドラゴンが持って帰って食料にする事になったが、それでもまだ余っている。

 流石にお肉が腐ってしまうので、余りはとりあえずみんな塩漬けにすることにした。冷凍もできるが、できる量にも限界がある。

 これが大変だった。最初は楽しんで作業していたみんなも、後半は無になっていた。

 しばらく魔物が減って森は平和だろうなと思いながら、リルはひたすらお肉に塩を擦り込んだ。

 

 やっと作業が終わった頃にはすっかり日が落ちていた。お客様だったはずのリヴィアン、エルヴィス、ハルキの三人も疲労困憊していてリル達は申し訳なく思った。

 だが三人とも楽しかったらしい。普段は出来ない経験だったと笑っていた。

 その日は三人とも拠点に泊まると言うので、リルは嬉しかった。

 ハルキは拠点に温泉があると知ってテンションが上がっていた。ナツに一緒に入ろうなと楽しそうに言っている。リヴィアンとエルヴィスは王城ではどこかダウナーな、酷く落ち着いた様子のハルキしか見た事が無かったため、ここに来てからはハルキはこんな性格だったのだなと感心していた。

 愛し子仲間と話している時のハルキはとても楽しそうだ。何か通じ合うものがあるのだろうと、リヴィアン達も感じていた。

 

 みんなで温泉に入って汗を流した後は、外で星を眺めた。

 ミレナが作ってくれた温かいスープを飲みながら眺める星はとても綺麗だった。

 神獣達も今日は夜になっても拠点で寛いでいる。

「なんか癖になりそうだね」

 アナスタシアが笑って言う。

「またやるでしょ?俺、今度はスペアリブ漬けてくるよ?」

 ハルキが美味しそうな提案をしてくれる。

「お肉の量は自重してもらおうね」

 リアがたぬたぬを揉みながら笑って言った。

「次はいつがいいかな?春になったらかな?」

 冬は流石にどうかと思ったリルが言う。

 みんな賛成なようだ。

 

 しかし神獣達に催促されて、ひと月もしない内にまたバーベキューパーティーが開催される事をこの時のリル達はまだ知らなかった。

 それが月一ペースの恒例行事になることも。

 神獣達は楽しい事が大好きなのだ。こんなに楽しい行事を逃すはずが無いのであった。

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