番外編 もふとん
寒くなってきた冬の日、リルにはハマっていることがあった。
あったかスポットで、神獣達に囲まれてお昼寝をする事である。
リルの身体の上にはリスやウサギが乗っている。周りは大きな神獣達に囲まれて、神獣に包まれて眠るのだ。
もふもふあったかな最高の時間だった。
「もふもふのお布団……略してもふとん」
アナスタシアがリルを見ながら言う。
リアは思わず笑ってしまった。
リアはカメラ片手に眠っているリル達を撮影してご満悦だ。
アナスタシアは自分でも、もふとんの性能を確かめたいと思った。
そこで神獣達にお願いした。
「リルみたいにみんなと一緒にお昼寝したいの、お願い」
神獣達はしょうがないなという顔でアナスタシアの周りに集まった。
体験してみたもふとんは、なるほど最高にもふもふあったかでリルの気持ちがわかった。
アナスタシアは皆に囲まれて眠りについた。
こうなるとリアも体験してみたくなる。
リアは大きな豹の神獣に頼んで抱き枕がわりになってもらった。
小さい子達もリアの背中にくっついてくれた。
これは癖になる心地良さだ。
リアもそのまま眠りについた。
ジャスティンは護衛として傍に居て、羨ましいと思った。だけど護衛なので、流石に眠る訳にはいかない。
先程から神獣達が周りに集まってきて居るが、眠る訳にはいかないのだ。
集まってきた神獣達が寝ないの?と問いかけてきている気がする。あくまで気がするだけだが、それは抗い難い誘惑だった。
ジャスティンは精神統一した。誘惑に負けてはいけない。
座っているジャスティンの膝の上に神獣達が乗ってくる。それはとても暖かくもふもふだった。彼らに囲まれて眠ったらどれほど気持ちがいいだろうか。
ジャスティンは誘惑に負けないようにするしかなかった。膝の上の神獣を撫でながら、眠らないようにだけ気をつける。
呑気に寝ている三人娘が恨めしい。
何故かこんな時だけ周りに集まってくる神獣達は自分をからかって居るのだろうか。
そんな被害妄想にかられた。
やがてリル達が目覚めると、神獣たちはジャスティンの周りから居なくなった。
やはりからかわれていたのだろうかとジャスティンは思う。
ジャスティンがもふとんを体験出来る日はきっと来ないだろう。
寒いのでもふとんが欲しい……!




