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番外編 お願いハルキさん!

 ある日のこと、ハルキが拠点に遊びに行くと、転生三人娘が駆け寄ってきた。

「わー天才魔道具技師のハルキさんだー」

 リアが楽しそうに言う

「きゃーファンなんですぅ、握手してくださぁい!」

 アナスタシアが若干腹の立つ棒読みで握手を求める。

「わ、わぁーカッコイイなぁ!」

 リルは一生懸命慣れない演技をしているようだった。

 

 なんか始まった。そう思ったハルキはわざとらしく髪をかき上げながら言う。

「この天才!魔道具技師のハルキ様に何か用かな?サインならいくらでも書くよ」

 

「私サインじゃなくてぇ、カメラが欲しいんですぅ」

 アナスタシアが棒読みで訴える。

「天才のハルキさんなら作れますよね?」

 リアがあざとく首を傾げながら言う。

 

「なんだ、カメラか、それならもう出来てるよ」

 ハルキは通常に戻ってそう言うと、車の後部座席からカメラを取り出した。

「これはレイズ王国にいた時は悪用されそうだったから発表しなかったんだ。デジカメは難しかったからポラロイドだけど、使ってみる?」

 

 わざわざハルキをおだてて作らせようとしていた三人娘はまさかの展開に歓喜する。

 ハルキの作ったカメラは百枚ほど写真紙をストックしておけるので、今日一日写真をとる分には持つだろう。

 

 ハルキもよくナツの写真を撮るので、もっと早く作ってあげれば良かったなと思った。

「ハルキさん、ちょっと借りてもいいですか?」

 先程までの演技が嘘のようにアナスタシアが懇願する。

 後日みんなの為のカメラを作るから、今日のところはそれで遊んでいいと許可を出した。

 

 三人は夢中になって神獣達の写真を撮っている。神獣達に写真を見せるとポカンとしていた。

 鏡を見たことの無い神獣は、それが自分だと分からないらしかった。

 やがて神獣がカメラから興味を無くして遊び出すと、むしろシャッターチャンスとばかりに写真を撮ってゆく。


 リルは琥珀とマロンと一緒に写真を撮ってもらった。

 部屋の目立つところに飾りたかったのだ。

 

 皆それぞれパートナーと写真を撮って貰ってご満悦だ。

 

 せっかくなので騎士の皆とも写真を撮った。

 まるで実物のようにそっくりな絵に、騎士達は感動していた。

 

 

 

 後日ハルキからみんなの分のカメラが届くと、拠点に写真を飾る大きなボードができた。みんなお気に入りの写真をボードに飾って思い出を残してゆく。

 すっかり写真にハマってしまったリル達のおかげでボードは日々増えていった。

 拠点の騎士や神獣のみんなと思い出を残すことが出来て、リルはとても嬉しかった。

 

 あまりに楽しそうなので、拠点の壁がボードだらけになってもイアンは止めろとは言えなかった。後日拠点にやってきた兄に叱られても、リル達の為に抵抗し続けるのだった。

次はきっとビデオカメラを要求されるハルキさん。

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