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【書籍化】捨てられ転生幼女はもふもふ達の通訳係【Web版】  作者: はにか えむ
幼女編

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番外編 sideナツ

 僕がハルキと一緒に行くことを決めたのは、匂いのせいだ。

 ハルキからはとてもいい匂いがした。僕はピンと来たんだ。この人は料理をする人だと。

 リアやミレナとかいう人と同じような香り方をしていた。料理をする人は体に匂いが染み付くみたいだ。

 

 僕はリスの中でも賢い方だと自負している。きっとハルキは僕のためにお菓子を作ってくれるだろう。リル達もお菓子をくれるけど、僕はもっと人間の食べ物が食べたかった。

 

 ハルキについて行くと案の定、ハルキは僕に人間の食べ物をよくくれた。ハルキはとても料理が上手いと思う。何かを作るのが好きなのだと聞いた。

 

「ナツ。ちょっと太ったか?」

 ある時ハルキに言われて僕は愕然とした。デブリスになるのは嫌だ、なんとか運動しなきゃ。言われた途端走り回る僕を見て、ハルキはいい物を作ってくれた。

 回し車というものらしい。これは楽しい。部屋の広さを気にせず走れるなんて最高だ。

 走る僕をハルキは微笑ましげに眺めていた。

 

 ある日回し車に新たな機能が追加された。走るといい感じの音楽が流れる機能だ。これは気分が上がる。僕は夢中になって走った。

 

 そのまたある日、さらに機能が追加された。なんと回し車の周りの景色が、僕が動く度に動くのだ。僕は森の中を走っている気分になった。プロジェクションマッピングとかいうらしい。僕の気分に合わせて好きなように景色を変えられるそうだ。

 ハルキはやっぱり天才だった。

 

 そしてまたある日、走るとそよ風が流れるようになった。これは僕の回し車を回すエネルギーを利用しているらしい。

 冬には温風に変えることも出来るそうだ。

 

 ハルキは何時見ても何かを作っている。物作りが趣味というのは本当だった。作れるならどんなものでもいいらしい。

 ハルキは突然裁縫を始めることもあった。僕の服を作ってくれるのは嬉しいが、夢中になると眠らないし、食事を抜くのはやめて欲しい。

 

 二日ほど徹夜してろくに食べずに何か作ったりするのは日常だ。アナスタシア曰くハルキはハイスペックダメ人間らしい。僕はハルキを何とか食べさせて眠らせる方法を考えた。

 

 僕がちゃんと時間管理をしてあげないと、ハルキはどんどんダメ人間になってしまう。

 僕は毎日夜になると、ハルキの髪を引っ張って眠らせるようになった。

 そして食事時にはまた髪を引っ張って食事を要求する。

 

 ハルキはナツのおかげで健康的な生活をおくれると感謝してくれた。

 ハルキには僕みたいに賢いパートナーが必要なんだ。

 僕は今日もハルキに健康的な生活をしてもらうために奮闘する。

ナツは苦労性

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