君の背中のそれを癒そう
黒々と焼け焦げた
ぼろぼろの枯れた枝
いくつも枝分かれして途中で折れた
焼け焦げた醜い枝
君の背中に突き立ったそれを
僕は癒そう
林檎の蜜を集めて
女王蜂の食べ物を分けてもらって
そのぼろぼろの枝に優しく塗り込む
ラベンダーのアロマ
ネロリの花びら
乳香と没薬
当たり年のワイン
1つ1つ 丁寧に 君の背中の焦げた枝に塗っていこう
優しく 優しく 愛おしむように
撫でるように ゆっくりと
愛していると 愛していると
囁きながら口付けよう
桃の果肉と初咲きの桜
バニラの種に石榴のジュース
太陽と月の光のシロップ
初恋の思い出の湖 その優しい水
甘く優しい 美しいものだけを集めて
触れるだけで痛むその枝に注ごう
雲糸で編んだレースを包帯がわりに
夢を刺繍したケープで体を包んで
焦げた枝が柔らかい骨に変わり
羽毛のように光が集まり
君が完全な姿を取り戻すまで
君が本当の人生を取り戻すまで
祈りを込めて