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Numbers  作者: ちょむ。
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身近に居ても何考えてるか分からない時あるよね

2話目です!

転生して5年経ったある日俺は森の中で女性を拾い、名前が無いと言うので「エナ」と名付けた。その後エナは奴隷から解放したのにも関わらず俺の力になりたいと言い、側にいる。決意の眼差しで俺の事を見てくる彼女に俺は力を与える約束をし、その見返りとしてこの世界の知識を教えて貰っていた。


エナが言うにはこの世界では様々な種族が存在し、絶えず戦いを繰り広げているとの事だ。そのため、自分のような身寄りのなく、小さな頃から奴隷に堕ちる者が多いという。


彼女に力を与えると言ったので訓練(じごく)をつけた。エナは毎日必死に死にそうになりながら訓練をこなしていった。


ある日エナを訓練に行かせ、帰ってきた時、エナが子猫を拾う感覚で誰かを連れてきた。


「…エナ、その子は?」


「訓練中、森の中で魔物に襲われている所を助けたんです。ゼロ様、勝手なことをして申し訳ありません。ですがどうもこの子を放っておけなくて。」


「はぁ…」


俺は頭を抱えた。人が増えるのはいいがそれは面倒事を意味する。なぜかと言うとここは死の森。こんな所に一人でいる時点で訳ありということだ。だかだからといって見捨てても後味が悪いし、可哀想だと思うので仕方が無い。そう思い俺はエナの横にいる子に話しかけた。


「この子は忌み子と呼ばれ、森の中に捨てられたそうです。」


そう言われて俺は気がついた。この子には呪いがついていた。


「ゼロ様、彼女を救ってくれませんか?」


「あぁ、そのつもりだ。…解呪(ディスペル)


「…!?呪いが解けてく…?」


「あぁ、俺が今解呪(ディスペル)を使って呪いを解いた。改めて自己紹介をしよう。俺はゼロ=ナンバーズ」


「私の名はエナ=ナンバーズ」


「おいエナ、いつからナンバーズになった」


「私はゼロ様に名付けられた身、さらには共同生活もしているので家族同然、いや、こんな極地で暮らしているので夫婦と言っても…」


そういい何やら考える彼女はさておき俺はリノの方を見る。


「君の名前は?」


「…リノです。でもみんなからは忌み子と呼ばれて来ました…」


「どうやら彼女は身よりもないそうです」


そうエナが耳打ちしてきた。 薄々感じてはいたがやはり孤児か…。その上呪いまでかけられみんなから虐げられてきたとは。


「あの…助けていただいてありがとうございます。ですが私には礼を返せるほどの物を持っておりません。ですから私から離れてください。私は忌み子、存在するだけで災厄をもたらすものです。私から離れることが1番幸せなことなのです」


「君の呪いはもう完全に消えたよ。それと同時に君の厄災の元も消しておいたから大丈夫だ。ここにいるといいよ」


「うそ!?どうやって私の体を…」


「俺が使った解呪(ディスペル)は体にまとわりつく全ての悪霊や呪い、呪文を消し去ることが出来る。君の体も例外ではなかった、それだけさ」


「どうして私にそこまでやってくれたんですか?」


「エナも出会った時は君と同じような境遇でね、もう君のような子は見捨てたくなかったんだ。望むなら力なき子に力を与えたい、そう思ってね」


「…私も強くなれますか?厄災を自分で追い払えるほど強くなれますか?もう苦しみたくないです!」


「ああ、君に覚悟があるなら、ね」


「リノ、訓練は相当辛いわよ。正直地獄の方がマシね。それでもあなたは望むの?」


「おいエナ、何が地獄だって?」


「ヒッ!その圧、続々してたまらないですぅ…」


この変態…俺が厳しく訓練しすぎたせいか、エナは少しばかりマゾ気質になってしまった。俺の命令を絶対聞くマゾの女。うん。表面だけみると相当やばいよね。まぁ今はそんなことを話してる場合ではない。


「話がズレてしまったね。それで、リノはどうする?俺たちと一緒に暮らすか?」


「私は…ゼロ様達と一緒に暮らして、強くなりたいです!」


そういう彼女の声にはハッキリとした意志と覚悟が乗っていた。なんだかエナに似てるな、と懐かしみながら俺も答える


「なら俺たちはお前を歓迎する」


「フフ。これからよろしくね、リノ」


「ありがとうございます…!」


そうリノが返事をすると彼女の着ていたフードが取れ、暗くてよく見えなかった顔があらわになった。


「エルフだったとはな」


「あの…やはり忌み子のエルフなどお嫌いでしょうか?」


「そんなことは無い。俺は種族や忌み子など気にしない」


「ゼロ様…!」


そう俺の名を言い笑うリノの笑顔に俺は心を奪われそうになる。危ない危ない、俺は歳下が好みなので理性が崩壊しかねない。急いで話題を逸らす。


「これからは訓練をして力をつけてもらう。リノ、期待しているからな」


「訓練…魔物…頭が…」


俺が訓練と言う言葉を発するとトラウマが蘇ったかのようにエナが頭を抱えこむ。


「訓練…わかりました!」


そんなエナを他所に、これから地獄を見る事になるとは知りもしないリノは楽しみにしていた。

こうして俺たちは楽しく暮らしていた。時々このようなハプニングがあったり人が増えたりするが楽しさが倍になりむしろ嬉しかった。

エナ…お前なにを…

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