聖夜の一日
ここは、グリーンランド。
雪と氷に覆われた村にサンタクロースとトナカイが住んでいます。
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名前は『トニー』珍しい光る鼻を持つトナカイです。
しかし、トナカイの中では異質のため、いつも1匹で居ます。
「今日も1匹で居るのかい?」
サンタクロース村の村長『サンタク』が声を掛けてきました。
「だって、僕は他のトナカイと違うから…。」
サンタクはトニーの頭を撫で。
「確かに鼻が光るトナカイはトニーだけだ…。
でも、お前の鼻は、特別な鼻なんだ。」
トニーは首を傾げる。
「特別?」
サンタクは頷き。
「お前の鼻が光るお陰で、迷わずに帰れるんだ。
役に立つんだぞ。」
トニーはサンタクを見て。
「本当?」
サンタクは頷く。
「じゃあ、今年のクリスマス、プレゼント運べる?」
トニーはサンタクを目をウルウルさせて見つめる。
「わかった、近くの町なら考えてみよう。」
トニーは目を輝かせサンタクを舐める。
「こらこらトニー、くすぐったい。」
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数日後の森の中、トニーは他のトナカイ達に囲まれていた。
「トニー、サンタク村長に取り入って何をお願いしたんだよ?」
ガトーがトニーに迫る。
「ぼ、僕もクリスマスにプレゼント運びたいって…。」
周りのトナカイがブーブーと騒ぐ。
「トニー、お前は留守番で良いんだよ!」
ガトーが角でトニーの顎を持ち上げる。
「そうだ!そうだ!」
周りのトナカイ達もガトーの言葉に賛同する。
「うわーん!」
トニーは涙を流し叫びながら逃げ出した。
「あ、トニーまだ話は終わってない!」
ガトーはトニーを追いかけるが、トニーの姿は消えてしまうのだった。
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泣きながら村の近くに来ると、サンタスに呼び止められた。
「トニー、どうして泣いているんだい?」
トニーはサンタクとの話とガトーとの話をする。
「まあ、ガトーは去年プレゼント運べなかったから、トニーに嫉妬したんだね。」
サンタスはトニーの頭を撫でました。
「なあトニー、明日からプレゼントの準備を手伝ってくれないか?」
トニーは頷く。
「何をすれば良いの?」
サンタスは雪に絵を描いて説明した。
「プレゼントハウスで、仕分けのお手伝いさ。
サンクロ達に頼まれたプレゼントを運んでくれれば良いさ。」
トニーは頷く。
「わかった!」
サンタスはまたトニーの頭を撫でた。
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そして次の日。
クリスマスの1週間前から、サンタクロース村ではプレゼントの準備に慌ただしくなる。
ここは『プレゼントハウス』、手紙に書かれているプレゼントを個別に箱詰めし、リボンを付ける仕事場だ。
そこへトニーがやって来た。
「お、トニー来たな!」
サンタス達が出迎え、ソリを着けてくれました。
「トニー、頼りにしてるからな!」
皆から頭を撫でられました。
こうしてプレゼントの準備が始まりました。
(ガチャンコ、ガチャンコ)
箱詰めの機械が慌ただしく動いている。
「トニー、サンタスに運んでくれ。」
リボン担当のグラサンに頼まれ、プレゼントをソリに乗せると、サンタスの所に運ぶ。
「トニー、ありがとうな。」
南米担当のサンタスはソリから箱を降ろす。
「トニーこっちに来てくれ。」
箱詰め担当のサータクの所に行く。
「これを、グラサンに運んでくれ。」
サータクは、ソリにプレゼントを乗せる。
そして、グラサンに届けた。
北米や南米、東アジアやオセアニア、アフリカや南極へのプレゼントを運び続け。
トニーは23日までしっかりお手伝いをした。
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12月24日『クリスマスイブ』。
サンタクロース村の広場に2000台ものソリが並べられている。
「今夜、6時より随時プレゼントを乗せると出発してくれ。」
サンタクが指示を出して、其々(それぞれ)トナカイにソリを着けた。
「トニー、今夜はお前の初仕事だ。
頑張ってくれ。」
サンタクはトニーの頭を撫でた。
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そして、6時になり、遠い場所担当のサンタが順番に出発していく。
「いよいよ出発だ。」
サンタクとトニーは最後に出発した。
トニーはどんどん加速していく。
(シャン!シャン!シャン!シャン!)
ベルが鳴り始めると、トニーの足元から光が溢れてくる。
それは、後ろに流れ徐々(じょじょ)に浮き始めた。
(シャン!シャン!シャン!シャン!)
サンタクとトニーは町へ向かって行った。
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(シャン!シャン!シャン!シャン!)
町に到着したサンタクとトニーは、子供の住む家にやって来た。
「トニー、プレゼント置いて来るから、待っててくれよ。」
トニーが頷くと、サンタクは屋根に降り、煙突から入って行った。
(ズズズ、ズズズ、ドサッ!)
「ケイン君の部屋はどこかな。」
サンタクは部屋の扉を静かに開け確認する。
「あれがケイン君たな。」
サンタクはケインの枕元にプレゼントを置く。
「むにゃむにゃ、サンタさんプレゼント…。」
サンタクは少しビックリしたが、静かに扉を閉め、煙突を登って行った。
「お待たせ、次の家に行こうか。」
トニーは頷き、サンタクを乗せ動き出す。
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プレゼントを配り回り、最後の家にやって来た。
その頃には山の向こうが明るくなり始めていた。
「じゃあ、最後のプレゼントを配ってくる。」
サンタクは煙突を降りて行く。
(ズズズ、ズズズ、ドサッ!)
「メイリーちゃんとロズ君はどこかな。」
サンタクは2人の部屋に入る。
「誰?」
メイリーちゃんが目を覚ましてしまう。
「サンタさん…?」
サンタクは指を口に添え。
「静かにしてくれるかな?」
メイリーは頷く。
「良い子の2人にプレゼントをあげよう。」
サンタクはメイリーにプレゼントを渡し、ロズの枕元にプレゼントを置く。
「それじゃあ、また来年に。」
サンタクはメイリーに手を振り部屋を出て行った。
煙突に向かう途中、テーブルに七面鳥のスライスがあった。
(ゴクリ…。)
サンタクは、1枚つまみ食いをした。
(うまい!)
サンタクは七面鳥のスライスを後4枚食べた。
そして、サンタクは煙突を登って行った。
「お待たせ。」
トニーは頷いた後、口がアングリと開く。
「サンタクさん、つまみ食いをしましたね?」
サンタクは首を振る。
「ソースが口に付いてますよ。」
サンタクは慌てて口を拭う。
「ごめん…。
つい美味しそうだったから…。」
トニーはサンタクを乗せサンタクロース村へ走り出した。
(シャン!シャン!シャン!シャン!)
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サンタクとトニーは村へ戻ると、他のサンタが帰るのを待った。
(シャン!シャン!シャン!シャン!)
数時間後、続々(ぞくぞく)と戻って来て、夜には全員が戻って来た。
「皆、お疲れ様。
そして、メリークリスマス!」
サンタとトナカイ達は、夜が更けるまで飲み明かした。
§おしまい§
読んで頂きありがとうございました。




