表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/15

1

(ついに、ついにこの時が来ました!)


大きく立派な校舎を見上げながら私の胸は高鳴っていた。


乙女ゲームのヒロインに転生し生きること十数年。今では前世の記憶などほとんど忘れてしまっているが、私が乙女ゲームのヒロインとして目的を果たす為に必要な記憶はしっかり覚えている。


(それを役立てるときがついに来ました……これからが本番です。まずはあの人を探さねば……!)


登校する生徒達の波から外れ待ち合わせを装い昇降口の端に寄ると、生徒の中から目的の人物を探す。

自分が乙女ゲームのヒロインに転生したと分かった時から会いたくて仕方なかった私の推し。

しばらく探していると視界にキラキラと光る金色が映る。それは綺麗なブロンドに青い瞳で整った顔立ちの男子生徒、攻略対象の一人であり第二王子のゼス・ロードだ。

しかし私の目的は彼ではない。

目線を反らせば彼の近くでキラリとまた何かが光った。目を向ければそれはゼスに負けない綺麗な金色の髪だ。その人の顔を見た瞬間胸が高鳴りだす。


(あの綺麗な髪にスラッとした出で立ち……素敵過ぎます)


長い金髪を一本に結って飾り気ひとつない綺麗な顔立ちの男性にも見える女子生徒。

彼女こそ私の推しでありずっとずっと憧れていた悪役令嬢、ロゼッタ・オルコット。

私は乙女ゲームで悪役とされる彼女を幸せにする為にここに居る。




私の知る限りこの乙女ゲームの攻略対象者は四人。先程の王子に王子の友人でもある騎士団長の息子、悪役令嬢ロゼッタの弟の公爵子息、そしてこの学校の保健医。

本来なら平民から貴族の養子になった私がヒロインとしてこの四人と恋愛するゲームなのだが今のところ攻略なんて面倒な事をする気は一切ない。

それに乙女ゲームの中では誰を攻略しても必ず我が推しのロゼッタと敵対することになってしまうのだ、そんなの耐えられない。

だから私は考えた。

『悪役令嬢』のロゼッタを『ヒロイン』のポジションにしてしまえば彼女は幸せになり私と敵対することもないのではないかと。

私のすべき事は恋愛を楽しむ事などではなく、ただひたすらに我が推しロゼッタを陰ながら応援し叶うことなら誰かと幸せになるのを見届ける事であると。


無事に推しの姿を目に焼き付けることに成功した私は早速彼女の幸せを応援するべく行動することにした。


新連載はじめました。

不定期更新です。

誤字脱字は気が付き次第直してきますので感想記入欄でのご報告はお控えください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ