決闘2
面白くなってきた。しかし、状況は不利なままだ。俺は、剣を構え直すと、今度はまた斬りにかかった。しかし、何度やっても受け止められてしまう。
(くそっ。どうすればいい... )
周りの障害物を使おうにもここは人通りの多い広場。きている人たちに、怪我をさせてもいけない。そうなると、できる行動は限られてくる。今の俺じゃ、体力も武力も知能もどれひとつバロンに勝てないだろう。どうすればいい。考えろ、考えろ!
ーーー剣にはそれぞれ、意志がある。その意志と、心をひとつにすればきっと剣も答えてくれるはずだ。ーーーー
(これだ!)
思い出したのは、独学で学んでいた俺に、アドバイスをくれた、バロンの言葉だ。
神経を、心を統一させる。深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
剣と一つに、いや、この場にあるものすべてを一心同体にさせる。手を顔の横に持ってきて、今までに見たことの無い構えをとる。
(この一撃に... かける!)
ーー一気に走り、アランは剣を今までに無いほどにふった。ーー
ギィィイイン!!と、火花が上がるのではないというほどに響いた。 つまり、バロンは受け止めたのだ。その音が鳴り終わると同時に、アランの剣が、砕け散った。その数秒後、糸の切れた操り人形のように、アランは膝をついてしまった。
「参り... ました。」
その瞬間にわき上がる歓声。あれほど引き付ける戦いをしていたのだ、当たり前の反応と言えばそうだったのかもしれない。審判の勝敗を告げる声すらも聞こえないほどだった。
「お疲れさん」
いまだに現実を読み込めていないアランに声をかけたのは、バロンだった。
「お前がここまで強くなってるとは思ってなかったな。」
そう言いながら、アランの頭をぐしゃぐしゃに撫でてくる。
「俺の若い頃にそっくりだ。... マリア!あれ持ってきてくれ。」
そう言われると、足早にその場を離れるマリアを見送って、話を続けた。
「お前は剣が砕け散るまで戦った。それだけ、剣の力を100パーセント使いだせてるっつーこった。だから... 」
そこに、小走りでマリアさんがやって来た。
「自信もっていってこい!」
そこには、赤く炎のように輝く剣をもっているバロンと、マリアを中心とする仲間のみんながいた。アランは、状況がつかめていないらしく、不思議そうな顔をしていた。
「お前が勝とうが負けようが、こういうつもりだった。ただ、何度もいったが興味本意で行けるほど、ヤボな世界じゃねえ。だから、お前がどれだけ本気か、確かめさしてもらったというわけだ。...まぁ、要らねぇ心配だったみてぇだな。それから、この剣は、お前が倒れていた近くにあったものだ。扱いにくいが、きっとお前なら使えるだろう。」
そう言い、無理やり剣を持たせた。
「お前が後悔しない生き方をしろ。俺は、最後までたどり着くことが出来なかったが、お前ならできる。そんな気がする。」
周りも、がんばれ、や行ってこい!などの言葉を言っている。すると、アランは立ち上がり。
「ぜってーやってやる!」
そう、叫んだ。