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ウィンドルの森の話

「ふぅー。ひでぇ目にあった。」

ぐったりと椅子に座るバロンを横目にカレーを食べる俺。

「しかし、よくそんなもん食べられるよな。でも、なんでばれたんだよ。うまくやったと思ってたのによ。」

「顔に出てんだよ、お前は。」

呆れ顔で、そう言った。

「それよりよぉ。情報はてに入ったのか?1週間もかけたんだろ?」

ピタッと、カレーを食べる手が止まる。その様子を見てバロンは、ため息をついた。

「また、ダメだったのか。そうなると、もう、ここら辺じゃねえかもな。」

辛そうな顔でそう言った。そこに、か細い声が入った。

「あの~。なんの話をしていらっしゃるので?」

声の主は、ミリアだった。アランは、説明しないと顔を背けているので、仕方ないと、ため息をついた。

「こいつ、むかしはある森で暮らしていてな。そこでは、ドラゴンとかと暮らしていたんだとよ。」

ーードラゴン。何百年、何千年と前にいた古代の生き物だ。しかしこの時代においてはもう絶滅されたと考えられている。ーー

「まぁ、ドラゴン以外にも妖精やら悪魔やらなんやら居たらしいが、どいつもこいつも古代の生き物。つまりもう絶滅しているやつらといたんだ。...しかし、どう考えても、そんなやつらがいるんだったらとっくに知られているはずなんだ。だからそいつが前いた森っていうところを考えてーーー」

「ウィンドルの森」

二人してハッとした。

「知っているのか!?」

アランは椅子から立ち上がり言った。

「うん。わたくしもそれが目的でここまで来たから。」

ミリアは、淡々と喋りだした。 

「私のお母様が昔よく話してくれていたの。私たちのご先祖は、昔そこに住んでいたって。ドラゴンや妖精たちが協力しあって暮らしていたって、でもある日、森に帰ることが出来なくなったんだって、それから、私たちはいつか、絶対にその森にかえるんだって、そう、言ってた。後、この鍵の錠も見つけてほしいって... 。」

そう言って見してきたのは上の方に三日月の形をした鍵だった。

「それって... これの鍵なのか?」

といい、首にかけていたネックレスを取り出した。それは確かに鍵穴の空いた錠だったが、鍵穴は、七つ空いていた。

「ちょっと見して。」

錠らしきものを貸すと、360度ぐるっと回して見た。

「確かに、この鍵の錠かも。ほら、ここの模様鍵と全く一緒でしょ?」

指差したところには、全く同じ三日月が描かれていた。しかし。

「問題は、他の模様よね。」

おなじ事を考えていたようだ。三日月以外には、雪の結晶のマーク、紅葉マーク、桜のマーク、星のマーク、時計のマーク、水のマークが鍵穴の上にあった。そして一番下には、火のマークがあった。

「でも、これって何をあらわしているのかしらね?」

「さぁな。... なぁ、バロン、なんかわかんないか?」

うーんと、バロンはうなってから、何かを思い付いたかのように、奥へと消えていったと思うと、一冊の本をもってきた。

「これはだいたい5000年くらい前の世界地図だ。」

パラパラと、本をめくった。

「嬢ちゃんが来たのは、王都、ギルランカじゃねえのか?」

「えっ!そ、そうだけど。」

「やっぱりか... 」

バロンはかなりうなってから、喋りだした。

「嬢ちゃんが居たのは昔、月の都呼ばれていたところなんだ。そして、アランが来たこのまち、ラリアットは、火の都市と呼ばれていたところに当たる。... お前は、勘が良いからな。わかってんだろ、アラン。」

ここで、俺にふられると思っていなかったが、ここまで来たらもうわかる。

「他の模様の都市、もしくは都があるってことか?」

「正解だ。ただ、紅葉についてはむずかしいんだ。」

俺たちは、なぜだと聞いた。

「雪の都、桜の都、星の都、水の都市、時の都、そこはではわかっている。しかし、紅葉に関しては、その都市がない。だからここからは俺の想像になるが聞いてくれ。... 」

こくんと頷く俺らを見て、ゆっくりと話し出した。

「紅葉は、かなり昔の空想の人物、つまり、存在が確認されていない天狗というのがいるらしいんだ。その天狗をいると信じている人々が集待っている町があるというんだ。」

「それが、何に関係があるっていうんだ?」

長い話にしびれを切らして聞いてしまった。

「まぁ、最後まで聞けって。んで、その天狗たちは一人一人うちわを持っているらしくてな。その形がーー。」

「紅葉... 形って訳か。」

「そういうこった。ただ、ここだけは都じゃねぇんだ。ただ、その天狗が古代の生き物だと言えれば、この件に関係していないとは言い切れねぇから。」

「可能性が無いわけではない... と言うわけか。」

周りは相も変わらず騒がしいが、ここだけは、沈黙がはしっていた。

「よしっ!」

沈黙を破ったのはアランだった。

「俺、旅に出る!」

「・・・はぁ?!」

唖然とする人々をよそにアラン一人がししししっ!と、笑っていた。

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