動く死体
いつもありがとうございます。
最近、うちの娘が妖怪だのモンスターだのに興味を持つようになって、いろいろ質問する様になりました。
そのたびに、「どこまで本格的に話すのか」プチ悩みます。
先日『ゾンビって何?』と問われて、『動く死体』と答えたわけですが。
『どうして動くの?』『脳みそ食べるって本当?』など、うるさいのであります。怖さ半分、興味半分ですね。
結局、『日本では火葬が多いから、ゾンビは生まれない』という理屈をつきつけたのであります(強引)
そもそも、ゾンビというのは、もともとブードゥ教からですが、カトリック教会の弾圧という側面もあって、本来のゾンビより映画などでさらにおどろおどろしく、ブードゥをある意味で貶める方角に作られての、現在のイメージなのであります。そもそもブードゥ自体が、アフリカの民間信仰であり、キリスト教下の弾圧を逃れるためにキリスト教の聖人崇拝を組み込んだという背景があることも、忘れてはいけないかと思います。
さて、東洋では一時、一世を風靡した『キョンシー』というものがあります。
これは、コミカルな映画がヒットしたこともあり、本来の妖怪伝説よりも、愛嬌のあるイメージで扱われている「動く死体」でございますね。面白いのは、ゾンビと違って、キョンシーはしっかり死後硬直とかしているところです。
日本の場合は死体に『何かが付く』というかたちでの死人憑きというかたちでの怪異があります。
いずれにしても、この死体が動くというのは、屍本人の『魂』は抜けているという形式が多いです。
(キョンシーの場合、魄はあることになっている)
ちなみに、ゾンビが『脳みそを食べる』のは、『バタリアン』という映画が強烈でした。
実際にゲームなどでは、人を食うのは、ゾンビより、キョンシーやグールの方が多いです。
さて。
死者が未練を残し、意志を持って、現世に何か訴えかけたりするのは、洋の東西を問わず、『肉体』を失っているのが、やはり定番なのかもしれません。幽霊、レイス、ゴーストなど、呼び方はいろいろありますが。
お話として、ロマン? が、あるのは、こっちの方かなあと思ったりするわけです。
死体が動くという不思議より、死者がこの世に漂うという不思議の方が、個人的にはストーリーがあって、面白いかなあと思うのであります。
こんな理屈を、娘に話してもしかたないけど、ついいろいろ考えてしまいましたので、書いてしまいました。




