雑魚
いつもありがとうございます
今回のテーマは、『雑魚』です。
この、雑魚という概念。非常にゲーム的ですね。
ファンタジーゲームにおいて、雑魚戦はレベルを上げるための必須戦闘であり、ルーチンワークであります。
小説において、雑魚戦は、『強さ』を見せつけるための『戦闘』です。
いかに、格好良く、圧倒的にケリをつけるかに心血を注いで描かれるべきシーンでしょう。
あくまで、自論でございますが、小説において、『雑魚戦』はあまり多くない方が良いと思います。
画像的な作品ならば圧倒的なかっこよさというのは、絵になります。
しかし、小説においては、『心理的なプレッシャー』のない雑魚戦は、正直、穴埋め作業のような印象であり、枚数を費やされるくらいなら、『蹴散らした』のひとことで終わったところで、何の問題もないし、ぐいぐいと先が気になるような展開にはならないように思えるのです。
もっとも、弱い敵を雑魚と思わせない展開というのはあります。
剣豪小説などでありがちですが、一つの事件がおきて、主人公がそれに立ち向かう。しかして、主人公と剣を交えれば、誰も主人公には勝てない。……でも、これは雑魚とは思わないです。
なぜなら、主のストーリーは『事件の解決』だからです。
思うに『主人公最強』の物語というのは、戦闘における爽快感を維持したいのであれば、徹底的にストーリー的に負荷をかけ、ドキドキ感を保つ。それが『先が気になる』という心理になるように思うのです。
さて。
TRPGなどでは野生の『狼』などが、レベル1の雑魚モンスターなどとされますが、どうしてどうして。狼って、実際には、かなり怖い。たいていの場合、かなり大きいですしね。これがレベル1、と考えますと、レベル10を越えてくる『ノーライフキング』『デュラハン』『ドラゴン』あたりなど、お会いしたくもありません(笑)
勇者さまの強さ、恐るべしでございます。
そうやって考えると、主人公の強さを圧倒的に見せつけたいのであれば、何の戦闘能力もない人間の視点を使うのが一番の方法かもしれません。
まあ、そんな人間を冒険で連れて歩くとなると、ほぼ『さらわれヒロイン』になってしまいますけれども。




