お約束はなろう共通語?
いつもありがとうございます。
先日、読者様のご感想の中で、『なろう』作家の『ターゲット層』が狭い、というご意見がありました。
よくよく考えてみますと、確かに、思い当るふしがあるのです。
なろうに来て、初めて『乙女ゲーム』系の話を読んだとき、テンプレ展開のお約束がわからず、「?」となりました。
ところが、これが、不思議。
他の作者さんのを何本か読んでいくと、展開がすごくよくわかるようになりました。
『なろうテンプレ』のすごいところは、『別の作家さん』が書いているのにもかかわらず、不思議と世界観が共有されているという、ほぼ架空の『二次創作』状態になっているということです。
そして、読者も作者もそれが当たり前で、なろうルールを何も知らない読者を置き去りにし、説明は省略。そしてオリジナリティはどこへ行ったのだろう、という作品の方が愛されるという奇妙な状態に陥っている面が少なからずあります。
ちなみに。私が転生/転移作品を書こうと思い立ち、『私は隣の田中です』という作品で『現代オカルト小説』をチョイスしたのは、単純にオカルトが書きたかったという理由もありますが、『ファンタジー』や『恋愛』小説では、既存小説に勝てないと思ったという面があります。
語弊があるかもしれませんが、『恋愛』小説というのは、お話のパターンバリエーションがものすごく少ないと思いませんか?
男性向け、女性向けの違いはあっても、好き、嫌いの感情の揺れに、年齢によってはエロが入りますが。
もう、あとはキャラと世界設定だけ。
現代ものの転生/転移で、恋愛だけ、だと。もう、学園もので青春するかオフィスでシンデレラするか。
もちろん、私の頭が貧困なのは否定しませんが、どうにもストーリーに起伏が少ない。
ファンタジーの転生/転移は、バリエが増えますが、『転生/転移』ものにする理由がつけにくいのです。
女性ものに、恋愛+ファンタジーの合わせ転生/転移が多いのは、このあたりでしょう。
ただ、ファンタジーにしたところで、既存ファンタジー作品の影響を全く受けないのは無理です。
『指輪物語』『エルリックサーガ』など、商業書籍名作でなくても、ドラクエやファイナルファンタジー、アトリエシリーズなど、ゲーム名作の影響を『全く受けない』作品は、私は非テンプレ作品でも『なろう』では読んだことはありません。そう言った意味で、ファンタジーも実はバリエーションの狭いジャンルだと思います。
ただ、完全オリジナルな世界は、難解なだけです。それに『影響を受けた』作品は即、パクリではないのです。
ま、そもそも、なろうテンプレ作品は、オリジナリティとか言ってはいけない感じですね。
で。まあ、自分はファンタジーをさけ、『現代オカルト』をチョイスして書きました。
ただ、これ、オリジナリティに溢れているかといわれると、自分が好きな現代オカルトの話をミキシングしている面も少なからずあります。(そう言う意味である意味『なろう読者層』には説明不足な面もかなりありますが)
もっとも、なろうのテンプレの中では結構異色だとは自負しておりますけれども。
そういえば。オリジナリティがらみの余談。
広告業界にいる友人から聞いた話。
機関車が空へ飛び出す絵というのは、ある角度になると、M氏の漫画の『著作権』に引っかかるらしいです。
宮沢賢治の銀河鉄道の夜をイメージした商品で、スゲー揉めたらしいです。
いやまあ。賢治さんがらみに、よく『言えた』と私は逆にびっくりしましたです。
賢治さんがご存命で、どっちがオマージュかといわれたらどうするのだろう。




