宮崎駿監督の世界
いつもありがとうございます。
ファンタジーについて非テンプレでもなく、テンプレでもなく、もっと自由な視点で考察したいと思って始めたこのエッセイ。思ったより長く書き続けております。
自分で言うのもなんだけど、こんな底の浅い知識をつらつら書いているものが、想定よりたくさんの人に読まれていて、本当にこれで良いものだろうかとプチ不安になったりするわけでございますが、高尚なネタなど書ける訳もないので、ネタが尽きるまでミーハーに徹したいと思っております(笑)
さて、今回は『宮崎駿監督』の世界でございます。
宮崎監督といえば、『風の谷のナウシカ』でございますが、ナウシカは一応、SFでございますので、とりあげるべきは『となりのトトロ』と『もののけ姫』でございましょうか。
魔女の宅急便は、宮崎監督のオリジナルではありませんから割愛。
『紅の豚』……これは、どうだろう。ファンタジーなのでしょうかねえ? 豚ですし。でも、これを入れるなら『天空の城ラピュタ』のほうがよほどファンタジーでしょうか。スチームパンクってSFかファンタジーか微妙な路線なのですが。
ちなみに、ファンタジーとか監督のオリジナルとか気にしないなら、『ルパン三世カリオストロの城』が一番好きですが、それはまた別のお話でございますね。
宮崎監督のすごいところは、エンタメ性の中に、押し付けることもないのに、メッセージが感じられるところです。
『となりのトトロ』なんて、昭和三十年代の光景の中、ふたりの姉妹がちょっとした不思議に囲まれてすごす日常的な事件を描いているだけなのに、『自然の大切さ』とか『親子の絆』『姉妹の絆』『ご近所のやさしさ』なんてのを感じてしまう。
まさしく、ローファンタジーの傑作だと思います。
『もののけ姫』は、こちらはトトロとちがって、宮崎作品の中では、少々重たいラスト。テーマはもっと大人向けに単純に『自然を大切にしよう』とかではなく、『自然を生きるために破壊する人間』を真正面からとらえ、理想は理想として掲げながらも『現実と向き合おう』というような主張であり、ハッピーエンドでもアンハッピーでもなく、『答えは出さない』という強い姿勢を感じさせるラストでございました。
個人的には宮崎監督の声優嫌いを何とかしてほしい(苦笑)
どちらにしろ、非常に『日本』を意識したファンタジーだけど、日本人じゃなくても、共感できるように作られていて、素晴らしい。
宮崎作品は『絵が綺麗』『音楽が素晴らしい』というお話もありますが、なんといっても『話が面白い』のが一番だと思います。
『未来少年コナン』の時代から、人間が壁をよじ登ったり、屋根を飛び越えたりと、非常にアニメ的でリアルじゃないアクションシーンがあっても、人物そのものはとてもリアリティがあり、深く共感が出来ます。
この前からずっと『東洋ファンタジー』の一番の有名どころを考えていて、たどり着いたのが、『宮崎駿』監督作品でした。
『となりのトトロ』のキャッチコピーは、『この不思議な生き物はまだ日本にいるのです……たぶん』だったかな。
『もののけ姫』は『生きろ!』の一言だったと思う……。
本当、これだけで見たくなります。
やっぱり、宮崎監督はすごいなあとしみじみ思うのです。




