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ステータスオープン 

いつもありがとうございます。

  先日、ふらりと『なろう』ファンタジーを読んだら、噂の『ステータスオープン』というのを見ました。

 異世界召喚されて、しょっぱなに、ステータス開示、というやつであります。


 ヒロイン「へえ、けっこう強いのね」


 じゃ、なーい! 

 どこが調査しているンだ、その数値!

 公式にデータ基準を測る機械のようなものが、その世界に存在するのか? するンだよね?

 じゃないと、公正な数値なんてはじけないよね? まさかカミサマが数値を測定しているの?

 そもそも、そこのひと、勝手に覗いているンじゃないよ、プライバシーの侵害です! 個人情報保護法ってどうなっているのさ?


 などと、テンプレに対して、突っ込んでもしょうがないわけでございますが。


 思うに、このステータス開示。

 小説としての利点を考えると、非常に難しいのであります。


 私はゲーマー出身なので、小説のキャラを数値化するのが気持ち悪いなどと思うほど古風な人間ではございませんが、このステータス開示、頭の良い読者から、ツッコミの嵐をうける危険濃厚だと思うのですね。

 ステータスをオープンするような作品は、敵に与えるダメージや、レベルなども求められてくるわけです。

 そして、そういうものを詳しく書けば書くほど、そういった方面に詳しい読者が読むわけで、ちょっとした計算ミス的な描写は許されなくなってくるわけでございます。


 例えば、炎の魔法の射程範囲が十メートルとあるのに、十五メートル先から仲間の援護射撃などというシーンはあり得ません。

 ただ、これ、数値等をあまり気にしない作品であれば、絶体絶命の危機に仲間の援護魔法が飛んできて、振り返れば、仲間が駆け付けた! などというシーンは、クライマックスには許されると思うのです。

 これは、情報開示してある作品こそ、アンフェアは許されないという極端な例です。

(もっとも、この例には逃げ道もあって、たとえば、射程距離が長くなっても、ダメージ減で届くとか、MP拡大するとか、理詰めでフェアにすることは可能)


 それに、です。

 ある一定条件下でしか、ステータスが見れないというのであれば良いのですが、いつでもどこでも、誰のでも確認できるというのであれば、『アヤシイ』人物など、すぐわかってしまします。自分よりステータスが上の人間は見えないなどと理由をつけても、『あ、コイツ、主人公よりステータス上』という情報は開示されたも同然。

 ひ弱をよそおった少女が、実は敵の工作員で武術の達人という設定など、出会った時にステータス開示されたらほぼ丸わかりであります。なんというか、『残念』な感じになってしまいます……。

 この少女と出会った時、いつもステータスを見る主人公が『見ない』という選択をしたら……やっぱりアンフェア。


 とにかく、数値をオープンにするような作品は、読者に対してフェアでなくてはいけないと思います。

 ただ、フェアであればあるほど、『ドラマチック』な展開は難しくなります。


 まあ、私は数値に弱いので、数字が文面に躍っても、それを追求する気はあまりありませんので、多少のアンフェアは、気にならないというか気が付きませんけれども。


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