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男装の麗人

いつもありがとうございます。

 今回は『男装の麗人』でございます。


 古くは『リボンの騎士』のサファイア皇子からはじまり、『ベルサイユのバラ』のオスカルなど、こと少女漫画では、非常に愛されるシチュエーションでございます。前回、取り上げました『妖刀伝』もそうですし、楠桂先生の『人狼草紙』など、もちろん『なろう』やはたまた『ムーン』でも見かける設定でございまして、女性に絶大の人気があります。


 女性に人気がある理由といえば、やはり、女が男と肩を並べ、男性的にカッコイイのに、たいていの場合は、女らしい心を忘れず、甘い恋に落ち、でも、男として生きねばならぬというしがらみなどをかかえて、なんともせつないストーリーがセット商品だったりするからでしょう。


 しかし、この男装の麗人という設定は、男性には人気がない、というわけではございません。

 かの池波正太郎先生の『剣客商売』にも、『佐々木美冬』という男装の女剣士が登場します。

 もっとも、前述の少女漫画と違い、この美冬は、男装しているだけで女であることを隠しているわけではありませんが、時折見せる女心がいかにも色っぽく、男性のギャップ萌えというやつを刺激するようであります。


 反対に、『女装した美人イケメン』は、あまり男性には人気がないですね。

 女性にはとても人気がありますが、男性が男装女性に感じるギャップ萌えではなく、多少BL的な萌えなのでしょうか。私はオタク趣味ではありますが、あまりBLには興味がないのではっきりと確信はございませんので、申し訳ありません。

 女装したイケメンを書いた男性作品……と、考えていて、思い出したのが、『南総里見八犬伝』の『犬坂毛野』。

 八犬伝きっての知将であります。毛野は、八犬伝でも、女性ファンが多いです。


 そういえば故夏目雅子さんが『西遊記』の三蔵法師を好演してから、日本では三蔵法師は女優さんが演じるのがなぜか定番になってしまい、なかには『三蔵法師』は女性と勘違いしてしまっている人もいるとかいないとか。


 男装の麗人が愛されるがゆえに、宝塚も愛されているわけであります。

 ここまで書いていて、ふと思ったのですが。そういえば、歌舞伎の女形のファンって、女性ばっかりだなあ、と。

 単純に、舞台モノは女性ファンが圧倒的に多いということなのかもしれませんね。


そういえば、男装の麗人って書いたことなかったなあ、とふと思いました。

女が戦う話は結構書いているんだけど。

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