仕掛け
いつもありがとうございます。
今回は『シカケ』です。物語の伏線やどんでん返しについてです。
ファンタジーに限らず、物語が大詰めで価値観が覆るというのは、非常に胸がわくわくします。これが一番得意なジャンルは、おそらく推理ものかもしれませんね。
さて。自分が感動した作品をここで書いてしまうと、ネタバレになってしまうというのが問題。
内容を書かなくても『仕掛けがあった』と書くだけで、ちょっとバラさないでよって気分になる可能性が無きにしもあらず。
しかし何も書かないと、説明が出来ない(笑)
害がないというか、文句がこないということで、自作でやろうと思います。
秋月作品で、『雨の降る街』という作品があります。
お読みいただいた方は、ほとんどいらっしゃらないかもしれませんが(泣)
「ネタバレ、嫌―っ!」って思って下さる奇特な方、そっとブラウザをバックしていただいて、できれば、読んでから戻っていただけるとありがたいです。(四万字ほどの作品です)
シカケといっても、それ程のシカケではなく、価値観が覆る……ほどのものではない(自爆)ので、例題としては少々ショボイのでありますが、仕方ないと思ってご了承を。
この作品、冒頭からずーっと雨。
雨の中、大工のラウルが、アリスティア公女にたのまれて、十年前の暗黒街の大火事の生き残りであるというメイサを捜して、彼女が住んでいた場所などを歩いて聞き込みをする……まあ、そんな風に話が始まります。
結論を言えば、このお話、メイサの信仰する破壊と創造をつかさどるロキスがネタの全てです。
ロキスは『水』と『火』という対極の竜をその腕に宿した神サマ。
メイサは、ロキスに愛されし巫女、というのがメインのネタであります。
作品の見せ方として、メイサの恩師が『焼死』という冒頭から始め、『メイサは火の魔法は使えない』ということを強調してはじめました。この強調は、いわゆる伏線です。
シカケ? を発動させるのは、『大火事はメイサが原因』『メイサの火の魔法を封じたのはメイサの恩師』ということがわかったあと、アリスティアの依頼からラウルが降りた第三章から。
ここで、冒頭から降り続いた雨が大雨になります。
ラウルは、ロキスは『水』と『火』という竜を持っていることから『雨はメイサが降らせている』という結論に導いていくわけです。
ちなみに、この作品は、どうしようもなく地味。未曽有の魔術災害が、ほぼ天災という状態で都市被害の描写は、洪水警報部分だけ。
なろう読者に受けるはずもない、地味ファンタジーでございます。
『雨の降る街』というタイトルそのままのお話なのであります。
私はタイトルをつけるのが非常に苦手で、作品もタイトルも地味なのですが、内容やタイトルに仕掛けを入れたくて仕方がない人であります(苦笑)
完全に自己満足の世界なのですが、仕掛けが綺麗に決まると、完結した時の満足感は半端じゃないのです。
私は、小説の構成はほぼせず、ラストだけ決めて、ガンガン突き進むという執筆スタイルなので、なかなか伏線を綺麗に決めるなどということはできないのですけれども、一応、伏線っぽいものを決めるコツを申し上げますなら。
1)『ラストが決まっていること』
2)『とにかく作品を読むこと』
勢いで書いていると、たまに筆が滑ることがあります。昔は、そのたびに書き直しておりましたので、執筆が今の十倍くらい遅く、完結が遠かったのですが、最近は、よほど矛盾点がないかぎりは直しません。(誤字脱字は別の話です)むしろ、滑った筆に面白いネタがないか『作品を読む』ことを繰り返していくうちに、思わぬ伏線にすることができることもあります。
誤字訂正もできるし、一石二鳥。本来は、全部やったうえで更新するのが正しいとは思いますが、秋月は、ある程度までいったら更新してしまい、後戻りを自分に許さないようにしております。
綺麗な伏線の決まった小説、いつか書けるようになりたいものです。
遠慮などほとんどない私でありますが、できるだけ、作品を紹介する時は、ネタバレせぬように気を使っております。とくに、価値観が覆るほどの作品というのは紹介するのに、気を使います……。
結果として、未熟な拙作の作品を例題に扱って申し訳ありません。決して宣伝活動ではありませんが、ご不快に思われましたら、お詫び申し上げます。




