押しと引き
いつもありがとうございます。
今回は『押し』と『引き』について。
以前、私がTRPGゲーマー出身者というのは、お話しました。
小説の作り方とGMのマスタリングテクニックの共通項について、です。
ゲーム用語になりますが『押し』というのは、強制的な話の進め方であり、『引き』というのは、ようするに『釣り』であり、プレイヤーキャラクターが能動的に行動するように仕向ける、と言う意味です。
例えば。
『押し』にはどんなものがあるかというと、権力者に無理やり竜退治を命令され、退治しなければ家族を殺す、などと脅されるような(ちょっと極端な例ですが)というのような感じです。
『引き』は、美女のキラキラおめめのおねだり(笑)とか、大金を散らつかすとかです。
TRPGにおいてキャラクターはシナリオの内容を知りませんから、「どのように動くのが正解か」というのは、GMの顔色を見つつ(笑)、シナリオの内容で『英雄の行動』っぽい行動を模索していきます。
GM側も、プレイヤーの顔色を見つつ、シナリオに巻き込む方法を模索して、みんなでストーリーを作り上げます。
ちなみに、プレイヤーが自分の用意したシナリオから脱線した場合、『強制』的に『押して』戻すタイプと、面白ければどんどん脱線を許容するGMに分かれますが……まあ、それはゲームのお話ですね。
小説において、キャラクターはすべて作家の意志一つで動きますから、実際に『押し』や『引き』は無用のように思えます。
しかしです。
小説を書くとき忘れてならないのは、作者が起こす事件の内容を『キャラクター』は知らないという事実です。
ひとは、何かを行動する時には、少なからず動機があります。
流されて行動している人間にだって『言われたから』とか『何となく』という、『動機』があるのです。
ここを忘れて、作者の都合だけでキャラを動かすと、『不自然な』行動となります。
できうるならば、脇役すみずみにいたるまで、作者はキャラをロールプレイすると、良いと思いますが……さすがにそれは苦しい。
でも、せめて主人公だけは、しっかりと動機を持って行動するキャラをつくっていくのが、魅力的なキャラクターをつくっていく方法なのでないかな、と思います。
ついでに言うならば。
GM時代にプレイヤーにつっこまれないように、理論武装を用意してシナリオに挑んでいたのが……一番、役に立っているかもしれません。(主に、このエッセイに、ですが)
私の守備範囲がやたら広いのは、GM経験時代のネタ探しかも。




