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なろうテンプレは、アンチ王道?

いつもありがとうございます。

今回は『なろうテンプレはアンチ王道』という、仮説について。


 ちなみに、私はテンプレも非テンプレも、どちらも読みます。

 短編で今回のサブタイトルのようなことを掲げますと、双方の急進派のかた(過激派ともいう)が、内容を読むこともなく、感想欄に道場やぶりのような感想を書き殴られる方をひとさまのエッセイで多く見てまいりました。ということで、連載でいつもお読みいただいている、心広い読者様相手だけに、書きます。


 

 なろうテンプレで多く見受けられる『主人公最強』設定。

 じつは、この『強い主人公』というのは、剣豪小説なのでも、多く見受けられます。ただし、剣豪小説の場合、『俺は強い』などと言おうものなら、次のエピで、半殺しの目にあって挫折するでしょう。『俺は弱い。強くなりたい』この衝動こそが、正しい『主人公最強』小説の王道であります。

 『主人公内政もの』これは、対応する王道小説を私は読んだことはないのですが、あるとしたら、たぶん、急激な政治改革の場合、周りが『イエスマン』ばかりというのは、ほぼないと思われます。

 『悪役令嬢』ものの場合、普通に考えれば、本来のヒロインはやはり『ヒロイン』なのであります。

 どう考えても、アンチシンデレラストーリーです。


 まあ、王道というのは愛され続けている分、『アンチ』派は必ずいるものでありますし、過去に何度も何度もたくさんの王道やぶりの物語が、新たな王道として定着していった経緯があります。


 ただ。ひとつ。なろうのテンプレで、ちょっとだけ『それって、無意識だろうけど、どうよ?』と思うのが、『身分制度』の『肯定』です。


 悪役令嬢ものでよくある『ヒロイン』という名の悪役さんは、たいていは下賤のものです。

 みんな、『婚約者』がいながら『身分の下の女』にうつつをぬかす『王子』への怒りのあまり、気が付いていないかもしれませんが、この『身分高き女性』に同情するあまり、『身分制度』を肯定していることになってはいませんでしょうか?

 

 古来より、身分違いの恋というのは、成就したり、しなかったりするものでありますが、物語の裏には、『身分』という壁について、問いかける意味があったと思うのです。

 『天はひとのうえに、ひとをつくらず。ひとのしたにひとをつくらず』

 諭吉さまも言っております。

 人類が、民主主義を手に入れたのは、つい最近のことであります。

 おおげさな、と言われるかもしれませんが、悪役令嬢ものにある『身分』の肯定は、日本人が平和ボケしている証拠かなあと、つい思ってしまうのです。

 現代に置き換えて考えてください。金持ちの男と金持ちの女が恋愛するなんて、ドラマにもならないでしょう? 

 社長令嬢が、一般サラリーマンの娘に「ざまぁ」って、バカバカしくって、誰も読まないと私は思うのです。


 ちなみに。非テンプレと言われる小説のたぶん半分くらいは、いわゆる『王道』小説なのではないかなあ。

なろうテンプレも、王道小説も嫌い……というひとは、非常にオリジナリティの高い小説を書いていらっしゃると思われ……そういう方は、ぜひ、次の王道をつくってほしいなあと思う次第であります。


秋月はテンプレ、非テンプレというより、王道小説派。

由緒正しい、勧善懲悪が大好きです。

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