課題図書
ファンタジー『書き』を名乗るものであれば、やはり読んでおかねばならない作品、それは、『指輪物語』です。
正直言えば、最初に読んだ時、話はすごく面白いのだけれど、翻訳文が非常に読みにくかった記憶があります。
(映画になったとき、大幅に、翻訳が改訂されました)
『指輪』は、日本人でいうなら、『富士山』です。
その名は、世界に轟いております。
そして、日本人で富士山の名称を知らない人はまずいないでしょう。
もちろん、皆が皆、富士山のほんものを見たわけではないし、登る人は一握りです。
トールキンを知らずして、ファンタジーを語るのは、愚の骨頂です。
『フジヤマ、スシ、ゲイシャ』です。
ファンタジーを知らないひとでも、指輪物語は、知っています。
本を読むのが無理なら、映画を見ましょう。損はありません。
もちろん、指輪を見て、それをお手本に書くのが正しいファンタジーではありません。
全く違うものを書く、それでいいのです。
全国には、○○富士と名が付く山がたくさんあります。
美しい山もたくさんあり、それらが富士山より美しいと思うひともいるでしょう。
しかし、富士山を知って、その山を称賛するのと、知らずに、身近な山を称賛しているのでは、全く違う話です。
感想で、『トールキン呪縛』というお言葉をいただきました。
確かに、そうです。偉大なファンタジーは、多大な影響を与えています。
けれど、 呪縛にハマらないために、読まないでおこう、そんなふうに考えていては、本当にいいものは書けません。
ファンタジー書きならば、指輪は、課題図書です。