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野宿

いつもありがとうございます。

 今回のテーマは『野宿』です。


 その昔、TRPGで「ドラゴンハーフRPG」というギャグファンタジーシステムがございまして、その中に『ホットウォーターミックスマゼマゼ』なる、魔法がございました。

 (すごい昔のことなのでひょっとしたら少し呪文が間違っているかもしれません)

 どんな魔法か、というと、『まずい保存食を美味しくする魔法』なのであります。

ところで。TRPGなどのルールによっては、この『保存食』というのがやたらと高価で(笑)最初の数日はお弁当の持参をGMに認めさせたり、現地調達(野草や、狩りですね)を言い張ったりしたものでございます。


 さて、ファンタジーで有名な保存食といえば『指輪物語』の『レンバス』。これは、エルフの魔法の食べ物なので、美味しいようであります。トールキンさまは英国人なので、ショートブレット的なものがイメージなのかな。

 しかし、まあ、日本の『干しほしいい』など現実に古来から野戦のときに食べられていたものをみますと、それほど美味とは思えません。

 この場合の保存食というのは、『野外に持ち運んで食べる』ものであって、冬の間の食料的なものとは違います。

 日本でも、江戸期に入ると宿場町などが整備され、一般的な旅人が大量の保存食を持って旅をするということはなかったように思われます。

ナポレオンの懸賞に応えた、フランスのニコラ・アペールが1804年瓶詰を発明したことによって、保存食は画期的な進化をとげました。

 つまりは、多くのファンタジーが舞台としている中世には、缶詰はありません。当たり前ですが、レトルトパックやカップ麺など、当然ない訳であります。

 人里離れた森の奥に冒険、などという展開の場合、食料は持参しなければなりません。

 水が確保できるなら、米や小麦粉などを持参するのも一つの考え方です。イモ類などの野菜も良いかもしれません。

 ただし、荷物になります。お湯を沸かすなら、お湯を沸かす道具もいりますし。

 食料を確保したところで、野宿といえばたき火です。薪は、まあ、落ち葉や枯れ枝を捜すとしましょうか。濡れていると厄介ですが、落葉樹の森であれば確保は簡単だと思います。(常緑樹林だったら……ちょっとムズイかも)

 炭火でバーベキューをしたことがある人なら知っているでしょうが、現在でも、『火起こし』というのは、なかなかたいへんです。女子のみなさん、キャンプで男子がすんなり火をおこしているなら「凄い!」と褒めておきましょう。着火剤を使っても、なかなか難しいものです。

 ライターやマッチのような、点火する道具があっても難しいのですから、火打石などで火をおこすのは至難の業。

 とにかく、ファンタジーの住人が当たり前のようにしている、野宿風景というのは、現代人から見るとかなりスゴ技炸裂の光景なのでございます。

 それに寝心地の良いシュラフなんてないしね。毛布持って歩くのって荷物だから、たいていはマント代用だろうし。

 しかも、現在の日本の山と違って、森には野生動物やモンスターがいたりして危険です。

 結論的に言うと、『野宿』は、たいへんだよ、ってお話。


 お話にもよるけど、ファンタジーを書かれる方は、その『大変さ』を頭に叩き込んでおいたほうが、キャラたちの逞しさや強さを表現しやすいです。

 ライノベって、サバイバル、なめている作品がたまーに見受けられます。インドア派の方こそ、アウトドアライフの知識は積極的に取り入れていくべきかなと思います。


私も完全なインドア派であります。


でも、カウボーイ料理のダッチオーブン料理は大好きであります。

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